儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

「人生100年」へ問われる改革速度

考えてみれば大変な問題です。

 

年金受給開始「70歳超も選択可能」へ

政府が公的年金の受給開始年齢について70歳超も選択可能とする制度の検討を始めた。支給開始を遅らせる場合の受給額を増やすことで高齢者の就労を促進し、年金制度の持続性も高める狙いだ。超高齢化社会と産業構造の転換に直面する中、現役世代向けも含むより踏み込んだ政策対応が急務だ。

 「70歳以降の受給開始を選択可能とするなど制度の改善に向けた検討を行う」。政府は1月17日、自民党の関係部会に中長期的な高齢者施策の指針となる「高齢社会対策大綱」案を提示し、了承された。その中で、政府として初めて70歳超を公的年金の受給開始年齢の選択肢として明示した。政府は高齢者の就労を促進する方針なども盛り込んだ大綱案を月内にも閣議決定する予定だ。

 現在の公的年金制度では受け取り開始年齢は65歳が基準。受給者の希望に応じて原則60~70歳の間で選択できる。受給開始を65歳より後にすると、1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ毎月の受給額が増える仕組みだ。

 70歳超で受け取りを開始する場合、政府は70歳超の部分について65~70歳で受け取り始める場合より高い上乗せ率にする方針だ。受給開始年齢の上限は75~80歳程度とする方向。具体案を厚生労働省で詰め、2020年中にも関連法改正案の国会提出を目指す。

 政府が70歳超の受け取りを選択可能とする制度設計に乗り出したのは、高齢化と人口減少で働き手が減る中、女性とともに高齢者の就労を促すことで労働力を確保し、年金財政の持続性を高める改革の布石とする狙いがある。

 人生100年時代が視野に入り、65歳以上を一律に高齢者とみる傾向は現実的ではないとの見方が広がる。高齢者側の就労意欲も高まっており、14年に内閣府が実施した調査では、仕事をしている60歳以上の4割超が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答した。

迫る「2025年問題」

 政府は元気で意欲がある高齢者がより働けるように、定年延長や65歳以降の雇用延長を行う企業への支援や、高齢者の起業支援などを加速する方針だ。

 一方、年金制度の持続性という観点からは、70歳超の受け取りを可能とする対応は半歩前進にすぎない。団塊の世代すべてが後期高齢者になる「2025年問題」が迫る中、年金制度の支え役となる層が減少し、受給者が急増する構図がこれから深刻化するためだ。

 主要国の多くが67~68歳への引き上げ途上にある中、政府内では「支給開始年齢の引き上げは避けられない」(財務省幹部)との声が強まっている。高齢層ほど少ない負担で高い給付を受ける年金の世代間格差を縮めるためにも、一定の収入や資産を持つ受給者への年金課税を強め、その分を基礎年金の財源に回す案なども浮上している。安倍晋三首相の周辺は「19年の参院選もあり、高齢者の反発が強い改革はゆっくりやらざるを得ない」と漏らすが、時間的余裕はなくなってきている。

 社会保障制度を維持し、経済成長を持続するには現役世代向けの対応も急務だ。国内市場の縮小やデジタル経済の進展に直面し、日本企業は事業モデルの変革や雇用慣行の見直しを迫られている。働き手の選択肢を増やすためにも官民双方が生産性の向上や労働市場の流動性を高めるための環境整備を急ぐ必要がある。(編集委員 安藤 毅)