儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

2018年の「世界経済」は? 「スターエコノミスト」対決

あまり意味はありません。

 

竹中平蔵 × 白井さゆり

 小泉政権時代に日本経済の「聖域なき構造改革」を断行した竹中平蔵氏。経済を成長させる上昇気流とその背後でうごめく嵐を知る同氏が、元経済財政担当相として、経済学者として2018年の風向きを読む。

東洋大教授・慶応大名誉教授
竹中平蔵(66歳)

米英に吹く経済成長の風 日本と中国で嵐の予感

 私は経済に影響を及ぼす事象を“偏西風”と“乱気流”に例えています。2018年はその偏西風と乱気流の両方が17年より強く吹くでしょう。風は世界中で吹きますが、注目は米国、英国、中国、そして日本です。

 吹き続ける偏西風とは経済成長のこと。今はAI(人工知能)やFintechなどの第4次産業革命による成長です。18年に偏西風をつかんで飛躍が予想される注目の国は、米国と英国です。米国は多くのベンチャー企業が登場しているように勢いがあり、18年もその成長は続くでしょう。

 英国は限定的な規制緩和「レギュラトリー・サンドボックス」が導入されるなどの法の基盤が整いました。英国の経済は、EU離脱のデメリットの影響も受けますが、法の基盤が整ったことで成長が期待できます。

世界に吹き荒れる乱気流

 もう一つの乱気流は突発的に起きる事象のことです。最近では北朝鮮のミサイルがそうですね。こうした乱気流は経済成長を乱します。乱気流の源は鬱積した人々の不満です。国家の変化に取り残された人々の不満が社会の分断現象を起こし、その源になるのです。

 乱気流はますます強くなります。なぜなら不満は簡単には解消しないから。例えばトランプ米大統領は人々の不満の代弁者として登場しましたが、格差や貧困を抜本的に解消するような政策が実行できているとはいえません。

 社会の分断現象はどこでも多かれ少なかれ起こっていますが、18年の注目という意味では日本です。安倍政権に対する強い反発や加計学園など、根拠のない議論は社会の不満を象徴しているのではないでしょうか。

 総選挙では、自民党が多くの議席を獲得しましたが、依然として不満はうごめいています。

 中国も、乱気流で注視したい国です。産業革命で急成長していますが、法の支配ができているとは言い難い。有力者が交代するなどで唐突に経済成長が失速する可能性があります。

 今や中国は、世界第2位の輸入国です。その中国の経済成長が鈍化すれば、その影響は世界に波及するでしょう。中国は偏西風が特に強く吹く国であると同時に、世界に影響を与える乱気流の中心にもなるリスクを抱えています。(談)

竹中氏の予測
  1. 米国と英国が成長
  2. 日本の経済リスクは国民の中にうごめく不満
  3. 中国の成長鈍化リスクは続く

 2016年まで日本銀行の審議委員を務めた日本を代表する経済学者。一見好調に見える世界経済だが、18年には4大リスクが潜んでいると警告する。

慶応大教授・元日本銀行審議委員
白井さゆり(54歳)
安定成長の陰に世界経済4大リスク

 2018年も世界経済は基本的に堅調と見ています。米国は大型減税が景気を支え、ドイツを中心に欧州も停滞していた設備投資需要がようやく拡大してきました。日本も20年の東京オリンピックに向けた特需が続くはずです。

 しかし一方で、この基本シナリオを下振れさせる可能性があるリスクが潜んでいます。

 1つ目は米国発の貿易摩擦が本格化するリスクです。既に中国からの輸入品に的を絞った報復関税などで、米国は輸入制限を強めています。

 加えて、18年は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が大詰めを迎えます。自動車の関税率などを巡って、メキシコとカナダと難航している交渉が決裂したら、北米地域内での貿易停滞に直結します。

 17年は大がかりな貿易摩擦が起きなかったこともあり、世界経済が安定成長しました。この路線がいよいよ逆回転する可能性が強まっています。

 2つ目に注意したいのは、米国の大型減税が実施された際に、同国の長期金利が予想以上に上昇するリスクです。 減税により今後10年で財政赤字が1.5兆ドル増えるため、財政悪化が進みます。長期金利上昇につながり、住宅市場や自動車販売などが特に大きなダメージを受けます。

欧州の金融市場が混乱

 3つ目のリスクは、ブレグジットの影響の顕在化です。

 現在交渉中ですが、EU圏内での財、サービス、資本、人の自由な移動が制限される「ハードブレグジット」の可能性が高まっています。ロンドンのシティを拠点とする金融機関が欧州で自由に活動できなくなり、欧州経済は不安定化します。

 ハードブレグジットを阻止できるのか。交渉の期限は19年3月なので、18年での交渉が正念場です。

 最後に中国。同国では企業債務やシャドーバンキングの抑制を始めています。信用収縮による金利上昇で為替相場が不安定になり、景気減速と市場の混乱が起こる恐れもあります。

 これらのリスクが現実になると、世界経済は下降局面入りすると思われます。19年ごろから米国と中国で景気が減速し、建設業などで五輪前の特需が終わりかける日本経済に負の連鎖が続くシナリオが懸念されます。

 日銀の金融政策が困難を極め、日本の株価や為替相場も不安定になるかもしれません。(談)

白井氏の予測
  1. 基本的に先進国経済は堅調
  2. 米財政赤字やブレグジットなどがリスクに
  3. 2019年から下降局面の可能性