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「社債バブル」に潜むリスクの芽

いろいろな問題があります。

よくできたレポートです。

 

マイナス金利の余波

高水準の社債発行が続く。市場では「2017年は過去最高に迫る」との声も出始めた。投資家の運用難が社債の利回りを押し下げ、企業側に有利な調達環境を生み出している。日銀のマイナス金利政策が生んだ起債ブーム。群がる投資家は将来のリスクにどこまで対応できるのか。

 2017年の社債発行額が過去最高を更新する勢いだ。金融情報サービスのアイ・エヌ情報センターによれば、17年上半期(1~6月)の社債発行額は、5兆7058億円だった。このペースが続けば、16年の10兆6163億円を超えるのは確実。過去最高だった1998年の12兆6429億円に迫る可能性があるとの声も市場では聞かれ始めた。

 4月に1500億円を発行したブリヂストン、6月に1000億円を発行したNECなど大型の起債が相次ぐ。リクルートホールディングスやヤフーなど、初めて社債を発行する会社も目につく。ただ、中には「低金利のうちに資金を手当てしてしまおうとするものも目立つ。前向きな投資につながるとは考えにくい」とある市場関係者は首をかしげる。

 背景にあるのは米国の動きだ。金融引き締めに向かう米国では長期金利が上昇傾向にある。この動きが近く日本でも広がるのではないかとする金利の先高観が、企業の起債を促しているのだ。

 起債ブームは異常事態を生んでいる。期間3~5年の中期債は発行時の利回りが0.001~0.005%とゼロに迫る。100億円借りても年間支払う利子は10万~50万円。「かなり発行体にとって有利な環境が続いている」(BNPパリバ証券の中空麻奈投資調査本部長)のは日銀のマイナス金利政策の影響による。期間6年までの国債の利回りはマイナス圏に沈んだまま。安定収益を狙いたい投資家は、辛うじて利回りがプラスである社債を買わざるを得ない。

金融庁の監督強化も影響

 金融庁の地方銀行に対する監督体制強化もこの状況を後押しする。運用難を背景に、国債に代わり外債投資を拡大した地銀は2016年11月の米大統領選後の米長期金利急騰(債券価格は下落)で、多額の含み損を抱えた。金融庁は損失拡大が地銀の経営に与える影響を問題視しており、金利変動に対するリスク管理を徹底させる構えだ。「金融庁としては地元企業への貸し出しやベンチャー企業の育成に資金を向かわせたいが、実際は融資拡大はなかなか進まず、社債は買われる状況が続きそう」(野村証券の魚本敏宏チーフ・クレジット・ストラテジスト)

 「クレジットバブル」の様相を呈する社債市場。現在、目立った混乱は見られないものの、先行きの不透明感は拭えない。前述の中空氏が注視するのが、世界で起こる変調だ。

 米国では低所得者(サブプライム)層向けの自動車ローンの債務が拡大したが、貸し倒れ率は9%と上昇傾向にある。不動産価格の上昇が続く中国では、政府が規制強化で価格をコントロールしようとしているがあまり機能していない。「今後、こうしたリスク要因が顕在化すれば、社債市場も現在のバランスを崩す可能性があるだけに注視している」と中空氏は警鐘を鳴らす。

 そうなれば一気に投資資金の巻き戻しが起きて、金融市場が混乱するリスクがある。価格変動リスクの大きい株式を避け、社債に群がる投資家たち。低金利がもたらす市場のゆがみが新たな「リスクの芽」を生んでいる。(武田 安恵)