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景況感は企業規模により「温度差」

起こっていない「トリクルダウン」

上野泰也氏の記事です。

そのとおりだと思いました。

 

大企業と中堅企業の景況感に格差

 規模の大小に注目して企業の景況感を示す数字を見ると、大企業の好況が中小企業以下へと波及していく「トリクルダウン」は起こっておらず、水準の「住み分け」が固定化していることがわかる。具体的に見てみよう。

 企業の景況感を示す数字では、規模別に水準が分布している「住み分け」が、このところ明確になっている。

大企業の事業の海外シフトで、高収益が下請けに及ぶ割合は低下

 景気拡大局面が長期化し、大企業で高水準の収益が続いている現状、より規模の小さい企業へと景気拡大メリットが波及して規模別の景況感格差が縮小してくる方が、経済状況としてはより望ましいと考えられる。だが実際には、そうはなっていない。

 その最も大きな原因と考えられるのは、大企業の収益において海外で生み出された収益の比率が上昇していることだろう。製造業では、たとえば自動車産業は生産拠点を海外にシフトし、さらに部品の現地調達比率を引き上げている。ある年度に大企業が稼ぎ出した高収益のメリットが国内下請け企業へと及ぶ度合いは低下していると考えられる。

 非製造業においても、調達先・販売先のグローバル化が進展しているため、規模の小さな国内取引先へのメリット波及は以前に比べると抑制されていると考えられる。

人口減・少子高齢化による強い下押し圧力も

 しかも、中小企業や小企業に属する非製造業、さらには個人企業といった、「人」に直接由来する需要と大きく関わっているカテゴリーでは、人口減・少子高齢化による長期的な需要減少という、日本経済に内在する強い下押し圧力が加わっている。

 日本経済は足元で、輸出・生産が主導して好調に推移している。だが筆者は引き続き、持続性と力強さを兼ね備えた「エースピッチャー」的な需要項目は見当たらないと認識している。輸出は海外経済・為替相場・製品サイクルなどに大きく左右されるため、本質的に不安定である。

 そして、景気が長期にわたる拡張局面にある中でも、「企業収益増→賃金・個人消費増」に加えて、「規模の大きい企業の好況→規模の小さい企業の好況」という面でも、前向きのメカニズムは作動しておらず、「トリクルダウン」は起きていないと言えるだろう。

景気の指標となる「理容業」「美容業」は、低迷傾向

 最後に、個人企業の代表例として、筆者が関連統計をウォッチしている理容業について、直近の状況を複数の経済指標で見ておきたい。理容業の動向は景気のインディケーターでもある。筆者の行きつけの店の人によると、常連のお客さんが「懐具合がさびしい」と感じやすい不況時には、髪を切りに来店するインターバルが長くなりがちだという。

 6月9日に経済産業省から発表された4月の第3次産業活動指数は前月比+1.2%で、予想比上振れとなったが、それまで4か月連続で低下してきた後の反発であり、基調判断は「横ばい」に据え置かれた。

 繰り返しになってしまうが、「人」を相手に商売を行っている業種にとって、人口減・少子高齢化の流れが止まらないことは、致命的とさえ言える弱点である。高齢者向けの訪問サービス拡充や新しい種類のサービス提供といった工夫により、理容業では需要喚起が図られている。資格要件の面では美容業とのオーバーラップが進みつつある。だが、そうした対応だけではどうしても限界があるのが、偽らざる現実である。