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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

好業績に踊らぬ株価――予想の「確度」市場が疑問符

 3月期企業の決算発表が本格化するまで、あと1カ月を切った。証券アナリストの2ケタ増益予想に基づけば日経平均株価は2万円に届きそうなのに、威勢のいい声は投資家から聞こえてこない。原因を探ると業績予想に対する信頼感の低下に行き着く。
 「トランプ相場」が始まって以降、多くの証券会社が好業績を理由に日本株を買い推奨した。その期待はアナリスト予想を見る限り崩れていない。
 米ゴールドマン・サックスによると、2017年度の日本企業の予想増益率は12・5%だ。これで試算した日経平均の1株利益は1350円程度で、金融危機以降の平均PER(株価収益率、約15倍)をかけると日経平均は約2万円と算出できる。
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 アナリストの予想変更の方向性をみると、日本株の場合は下方修正より上方修正のほうが優勢だ。その度合いはオーストラリアなど2位以下を大きく引き離している。通常、上方修正が増える局面では投資家の買いが集まりやすくなり、株価は上昇する傾向がある。
 なのに投資家がアナリストの強気見通しに乗っかる気配は感じられない。昨年末比の株価上昇率は豪州株が3%、ドイツ株は6%だった。一方 、日本株は海外投資家の買いが細ったせいで、0・5%にとどまっている。
 アナリストと投資家の間に温度差があるのは「アナリスト予想平均の指標性に不信感が寄せられているから」。野村証券の松浦寿雄チーフストラテジストはこう明かす。
 外資系証券のリストラのあおりで、東証1部を対象にした業績予想の延べ数は直近ピークの14年より7%減った。また16年に日本証券業協会がガイドラインをつくり、アナリストが決算発表前に企業に業績動向を聞き取る「プレビュー取材」がしにくくなった。アナリスト予想を参考にする投資家が、その正確性に疑問を持っているのだ。
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 また輸出企業が決算発表でアナリスト予想並みの2ケタ増益を打ち出しても、投資家はうのみにしないだろう。業績を左右する対ドルの円相場の変動率が、金融危機後並みの大きさになっているためだ。16年度の平均は1ドル=108円台。足元の110円台で推移すれば2ケタ増益の可能性は大きいが、105円だと微妙になる。
 投資家はむしろ、企業が慎重予想を出すリスクを気にする。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジ ストは「自動車会社の減益予想で株価が調整するシナリオを市場は警戒している」と話す。野村証券によればトヨタ自動車は05~16年度の12回、市場予想を下回る会社予想を期初に公表した。
 企業業績は、適正な株価をはじき、割高・割安を判断するのに最も重要な材料だ。だが企業やアナリストの予想の確からしさがぐらつき、よりどころをなくした投資家は頭を抱える。そんな戸惑いが今の膠着相場に表れている。(宮本岳則)