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相場変調、頼るはROE―惑いが招く銘柄選別

 大きな潮目を迎えたのか――。トランプ相場を享受してきた投資家が神経質になっている。トランプ米大統領の指導力への懸念を契機に27日の日経平均株価は一時300円超下落するほぼ全面安の展開になった。そんな中、投資家が銘柄選びの尺度として改めて重視姿勢を強めるのが、自己資本利益率(ROE)だ。特に持続的にROEが高い銘柄に注目が集まる。いわば安心感を求めた消去法的な買いは何を映すのか。
 「2万円乗せの期待はだいぶ薄れてしまった」(国内証券のトレーダー)。27日の日経平均終値は1万8985円と、昨年末の水準を下回った。そんな投資家心理が急速に悪化したこの日も、逆行高を演じた銘柄はある。ダイキン工業や東京エレクトロン、SHOEIなど、ROEが2ケタ超の高収益銘柄だ。
 ファイブスター投信投資顧問の大木将充氏は「国内外の政治が不透明な環境が当面続くとすれば、外部要因に左右されず収益力が高い銘柄を個別に選んでいくしかない」と話す。建設や食品の高ROE銘柄などに着目していくという。
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 実は、高ROE銘柄を物色する動きは足元でジワリ広がっていた。ピジョン8%高、バンダイナム コホールディングス7%高、花王6%高……。「3月は久々に高ROEが物色テーマになった月だった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏)
 ROEは常に重要な投資指標だが、重視度合いはその時の投資家の物色の矛先次第だ。2015年まではROEの改善期待銘柄が買われたが、16年になると存在感が低下。昨年前半は世界的な金利低下や資源価格の下落を受けて投資家の安全志向が高まり、価格変動性の低い銘柄に資金が集中した。逆に後半にはトランプ氏の政策への期待が後押しし、輸出関連など景気敏感株が買われた。
 なぜ今、再びのROEなのか。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は投資家の複雑な心理を指摘する。昨年前半と違い景況感は悪くなく、弱気には傾けられない。さりとて「トランプカード」がある限り、強気を貫くのも難しい。どっちつかずの中で「安心感を求めて選ばれている」(井出氏)というわけだ。
 中でも注目が「ROEの高さが継続しそうな銘柄」(大和証券の吉野貴晶氏)だ。ROEを分解した3つの構成要素のうち、総資産回転率や財務レバレッジではなく、売上高純利益率が高い銘柄の高ROEは継続性があるという。
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 どう見つければいいか。京都大学の川北英隆教授は京都に主要拠点を置く「京都銘柄」にヒントを見いだす。日本電産や堀場製作所などが代表例。財務を悪化させずに高い利益率を維持しており、総資産利益率(ROA)が高い銘柄が多いという。「多くは独自の技術や事業モデルを持ち、長期の投資対象としても安定感がある」(川北氏)
 だが「長期的に稼ぐ力を保つ銘柄はそう多くあるわけではない」(外資系運用会社のファンドマネジャー)のが実情。限られた銘柄に資金が集中すれば一気に割高感が強まる。「トランプ後」の相場に向き合う悩みは尽きない。(菊地毅)