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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

政策空転懸念、日本でも――「働き方」など重要法案多く

 日米で「政策空転リスク」が株安要因として浮上してきた。23日の東京市場は日経平均株価が一時、1カ月ぶりに1万9000円を割り込んだ。米国ではオバマケア(医療保険制度改革法)の撤廃を巡って、トランプ大統領と議会が対立。日本でも森友学園問題を巡って国会が空転し、経済関連の重要法案が棚ざらしになるリスクが意識され始めた。
 この日は人材派遣のフルキャストホールディングスや求人サイト運営のディップなど「働き方改革関連銘柄」が逆行安した。長時間労働の是正などが進めば、業績の押し上げにつながるとみられている銘柄群だ。アンビションなど民泊関連銘柄も売られた。
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 森友学園問題を巡る国会での議論は長引きかねない情勢だ。籠池泰典理事長の証人喚問を経ても実態解明にはほど遠い。野党は安倍昭恵首相夫人に焦点をあてており、与野党対立が激化する恐れがある。
 そうなれば働き方改革関連法案のほか、民泊にお墨付きを与える住宅宿泊事業法案なども成立時期が極めて不透明になってしまう。そんな投資家の懸念をこの日の市場は鮮明に映し出した。
 欧米政治に大衆迎合の旋風が吹くなかでも、安倍政権の政治 基盤は安定し、外国人投資家の評価を集めてきた。それだけに、「『政治プレミアム』がはげれば外国人の買いは細る」と、智剣・Oskarグループの大川智宏主席ストラテジストは警戒する。
 国内勢も警戒感を強め始めた。フィデリティ投信で中小型株ファンドを運用する松井亮介ポートフォリオマネジャーは「足元で内規で定めるぎりぎりまで現金を増やした」と話す。日経平均で1万8000円を割り込むような暴落を予想する声は少数派。とはいえ、日米への政策期待は膨張から収縮に向かいつつある。
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 そんな投資家の懸念を象徴するようにある警戒サインが13日の米ニューヨーク証券取引所で点灯したのは見逃せない。「ヒンデンブルグ・オーメン」(ヒンデンブルグの予兆)と呼ばれるもので、第2次世界大戦前にドイツの飛行船、ヒンデンブルグ号が起こした事故が語源だ。52週間の最高値・最安値の数や移動平均など複数の条件が同時に成立することを指し、これが生じると株価は5%超の調整局面に向かうとされる。
 2015年12月2日にこのサインが点灯した際は1カ月後の16年始から調整局面が始まった経緯がある。「今後1カ月くら いは米国発の世界同時株安への警戒が必要だ」とeワラント証券の小野田慎投資情報室長は話す。
 米国が一段の利上げに向かうなか、財政をはじめとする政策への期待が市場を支えてきた。その局面で政策を実現する場である議会が日米で揺れている。市場でじわりと強まる「株安懸念」に対し、せめて心の準備はしておいた方がいいのかもしれない。
(関口慶太)