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米国発の嵐に動揺―投資資金、安定株へ退避

 東京都心で桜が開花した翌22日、株式市場で春の嵐が吹き荒れた。日経平均株価は3日続落、下げ幅は昨年11月上旬以降の「トランプ相場」で最大となった。起点はやはり米国。円高進行に加え、トランプ大統領の政策遂行に遅れが生じるとの懸念が広がっているためだ。動揺を深めたマネーは高配当株など「安定株」へ退避しつつある。
 「トランプ氏は期待したリーダーシップを発揮できないかもしれない」。大手証券の株式営業担当者はため息をつく。それもそのはず。オバマケア(医療保険制度改革)の代替法案で下院共和党議員による可決阻止がちらつくからだ。阻止が現実となれば、「トランプ氏の出ばなはくじかれ、政策実行のスピード感に疑問符が付く」(東海東京調査センターの平川昇二氏)との声も上がる。
 最大の懸念は、市場の期待を最も高めてきた法人減税やインフラ投資が停滞しかねないことだ。この日、それを映し出したのがいわゆる「トランプ銘柄」の動きだ。これまでのトランプ相場では、米国で稼ぐ利益の比率が相対的に高いため法人減税の恩恵を受けやすく、インフラ投資拡大も追い風になるとして人気を集めていた。
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 代表 格の一つが太平洋セメント。同社は北米にセメント工場を抱え、米国販売が連結売上高の1割強を占める。2月14日に昨年来高値を付けた株価はこの日、前日比3・5%安と大幅に下落した。日経平均(2・1%安)に比べて下げがきつく、先行していた期待が大きく後退した形だ。
 投資家の動揺の大きさは、日経平均の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」からも見て取れる。投資家の不安心理を示す指標で、3・06ポイント高い18・65に急上昇。この上昇幅もトランプ相場で最大だ。
 異端の大統領に振り回される地合いが続くなか、リスクオフの様相を強めた投資マネーは「安定株」に退避し始めている。
 一つがキャッシュリッチ銘柄。例えば、野村証券はネットキャッシュ(有利子負債を差し引いた実質的な手持ち資金)の総資産に占める比率などを基に、潤沢なキャッシュを持つ銘柄を抽出した。年明け以降、任天堂やトレンドマイクロなど大半が日経平均より堅調な値動きだ。ある国内運用会社の運用責任者は「キーエンス株を買い増す検討を始めた」と明かす。
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 もう一つが高配当銘柄。21日に2017年 3月期の増配予想を発表した全国保証株は一時9%高まで急騰した。楽天証券の窪田真之氏は「政治や為替動向の不透明さが強い分、安心感のある高配当株は選好されやすい」と話す。予想配当利回りの高さなどから構成銘柄を選ぶ「東証配当フォーカス100指数」は昨年末比で2%高と、同期間の日経平均(0・4%安)を上回る。
 アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之氏は「米景気の改善はまだ続くとみられるが、米国株が一本調子に上がるのは難しいかもしれない」と話す。米国では今後、新会計年度予算を巡る議論などが活発になり、トランプ政権と議会との対立はより深まるとの見方は多い。国内の投資マネーが「安定」を求める動きは当面続きそうだ。(増野光俊)