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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

中小再編、進展の効用――長期上昇相場のカギに

 膠着感が強かった21日の東京市場。長期投資家の重要なテーマとなっているのが、企業のM&A(合併・買収)の進展だ。競争緩和によって利益率の改善が見込めるだけでなく、デフレ脱却のきっかけになる可能性もある。21日は中小企業のM&A仲介会社が相次ぎ上場来高値を付けた。高まる企業再編期待が、長期上昇相場のカギとなりそうだ。
 「再編が進んだ英国の薬局では(ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス傘下の)ブーツが圧倒的なシェアを持つようになった。日本でも同じ動きになるはずだ」。英国在住で長年日本株に投資するアクサ・インベストメント・マネージャーズのハーディ智砂子氏はこう予想する。
 投資先として注目するのはアインホールディングス。調剤薬局最大手だが、同社によると国内シェアはまだ3%にすぎない。家族経営の調剤薬局の多くが薬剤師を確保できず、システム投資も難しくなっている。ハーディ氏は「株価は投資してから10倍になったが、長期的にはまだ上昇するだろう」と強気だ。
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 世界取引所連盟(WFE)によると、日本の上場企業数は3千社を超え、インドに次ぐ世界第2位の多さだ。日本では非 上場の中小企業も含めた無数の会社が縮小する国内マーケットを奪い合ってきた。政府は事業部門を新会社として分離する際に税金がかからなくなるスピンオフ税制を4月に導入する。
 こうした恩恵を直接受けるのがM&A仲介会社だ。M&Aキャピタルパートナーズと日本M&Aセンターは21日、そろって株式分割考慮後の上場来高値を更新した。M&Aキャピは15日の業績予想の上方修正が好感されて3日続伸し、上昇率は25%に達する。
 欧米ではトランプ米大統領が大型M&Aを容認するとの見方が浮上している。司法省反トラスト局長に企業寄りとされる弁護士を指名したのがきっかけだ。
 英生活用品大手のレキットベンキーザーによる粉ミルク大手の米ミード・ジョンソン・ニュートリション買収など100億ドルを超える超大型M&Aの発表やニュースが相次ぐ。こうした流れが「株式相場全体を押し上げている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦洋平氏)という。
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 欧米の超大型M&Aと比べて、M&Aキャピが対象とするような日本のM&Aは中小企業の後継者難の対応などが中心で派手さに欠ける。だが中小であっても、株式 市場にとって再編が進む意義は大きい。「生産性の低い中小の林立が賃金・物価上昇とデフレ脱却を阻んできた」(シティグループ証券の飯塚尚己氏)からだ。
 国内トップ企業とグローバル企業の格差は大きい。中小を含めた企業再編の進展は、規模で劣る日本企業の利益率改善につながるだけではない。マクロ要因でも働き方改革と並んで株高を促す原動力になる可能性がある。(土居倫之)