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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

トランプ相場、主役交代――いらだつ海外勢、新興国株へ

 「トランプ相場」の主役が交代し、日本株は脇役に追いやられたようだ。17日の東京株式市場でも日経平均株価は2万円を前に足踏みを続け、一部の海外勢はしびれを切らし始めた。彼らが向かった先は新興国株。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過して、相対的な魅力度が増したという。日本株投資家の我慢はいつまで続くのか。
 「足踏みが続く日本株にイライラしている感じだった」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ・ポートフォリオストラテジスト、古川真氏は17日まで面談したアジアの投資家たちの様子をこう明かす。定期的に海外をまわり、今回は香港やシンガポールのヘッジファンドを訪ねた。
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 ゴールドマン・サックス証券で株式営業を統括するマネージング・ディレクター、ベンジャミン・ファーガソン氏も海外投資家の不満を耳にしている。彼らのいらだちの原因は当初の見立て通りに動かない為替にある。「足元の日米金利差を考えれば1ドル=117~118円台になってもおかしくないが、円安が進まず戸惑っている」(ファーガソン氏)。当然、日本株の上昇期待も薄らいだ。
 世界の株式で運用する投資 家はトランプ相場での資産配分に頭を悩ませている。米国株は政策の恩恵を受けるがすでに割高に映る。日本株は当初、各証券会社が買い推奨を出し「主役」に躍り出たが、足元でぱっとしない。そこで急浮上したのが新興国株だ。
 「新興国株はもう少し買い増してもよさそうだ」。16日午後。スイスの運用会社ピクテに所属する世界の運用担当者が集まった電話会議では、こんな意見が大勢を占めた。新興国株投資での懸念材料はドル高。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は15日の記者会見で、利上げを急速に進める可能性を否定しドル高懸念は大きく後退した。
 東京から参加した松元浩氏は「日本株の話題はあまり出なかった」と苦笑する。ドル高懸念をクリアすれば、割安さや成長性の面で新興国株は魅力的だ。さらに「日本株はリスクの割にリターンが小さいと見られている」(松元氏)。値が大きいほど運用効率の良さを示す「シャープレシオ」を見ると新興国株に劣る。日本株は為替などで大きく値が振れやすいからだ。
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 世界の投資家が新興国株をあまり持っていないのも、買いやすさにつながっている。逆に日本株はアベノミクス相場の開 始以来、海外勢が大きく買い増した。その差は株式ファンドへの資金流出入を見ても明白だ。「日本株を換金して新興国株に再参入すべきだ」。米JPモルガン・チェースのストラテジスト、ミスラフ・マテイカ氏は顧客にこう勧め始めた。
 17日はインドネシア株が最高値を更新し、香港株は1年7カ月ぶりの高値水準に達するなど、小反落だった日経平均との違いを印象づけた。「新年度の国内勢の買いや、日本企業の決算に期待する海外勢もいる」。BNPパリバ証券の岡沢恭弥取締役はこう指摘する。裏を返せば3月中は日本株の買い材料が乏しい。日本株投資家には忍耐強さが必要になる。(宮本岳則)