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日米株価、埋まらぬ溝――大型成長株の不在、影響

 日本株の出遅れ感が解消されない。16日の日経平均株価は小動きに終わり、最高値の更新をうかがう米ダウ工業株30種平均との差は開いたままだ。景気回復ペースに違いがあるほか、市場の構造要因がある。日本には技術革新が成長を生む大型グロース株が不足している、という点だ。
 「米利上げの加速で円安になると思ったのに、正直言って肩すかしを食らった」。国内証券トレーダーはこぼす。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り0・25%の追加利上げを決めた。しかし、今年の利上げは従来通り年3回の見通しで、「年4回に加速する」という事前の観測は空振りに終わった。
 米長期金利が急低下し、外国為替市場では円高・ドル安が進んだ。金利低下で銀行株が振るわず、円高で自動車株も軟調だった。
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 これに対して米株式市場では急ピッチの利上げ観測の後退が安心感を誘い、15日のダウ平均は終値で上げ幅が100ドルを超えた。
 日米で株式相場の勢いに違いがあるのは、投資マネーの動きからもわかる。EPFRグローバルによると、昨年11月以降のトランプ相場で米国株ファンドの資金流入額は日本株を上回っ て推移している。力強い米景気の回復に、トランプ政権の大型減税で米国企業の利益はさらに膨らむ。そんな楽観が米株高を支える。
 ただマクロ要因だけで日本株の出遅れは説明し切れない。より深刻なのが、日本の株式市場は新陳代謝に乏しい、という特徴だ。
 15日の米市場では時価総額1、2位のアップル、グーグルの持ち株会社アルファベット株が最高値を更新した。野村証券の村山誠エクイティ・マーケット・ストラテジストは日米株の隔たりが「世界のイノベーションをけん引する主力銘柄の有無による」とみる。両社とも昨年10~12月期の売上高が過去最高だった。スマートフォンやインターネット分野での革新が世界のマネーをひき付けている。
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 一方で日本はどうだろうか。時価総額上位企業の年初来の株価騰落率を見ると、上昇が目立つのはサウジアラビアとの10兆円ファンド立ち上げなど攻めの経営を続けるソフトバンクグループぐらい。NTTや日本たばこ産業(JT)、日本郵政など時価総額上位の企業群に、運用大手の幹部は「旧国有企業ばかりじゃないか」と自嘲気味に語る。
 みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジスト は「起業家精神や人材の多様性で後れを取り、日本では資本市場のダイナミズムが生まれない」と指摘する。
 16日は東証第一部の売買高で東芝株が断トツだった。「不祥事企業を巡るマネーゲームに支配される市場は健全とはいえない」。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは日本市場に未熟さを見る。
 新年度入りする4月から日本株の出遅れは解消に向かう、との期待が市場では根強い。だが自律的な成長を描きにくい日本の主力株は結局、円相場など外部環境の影響を受けやすい。日本株の楽観シナリオには危うさが潜む。(川上穣)