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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

変わるか万年割安株―対話期待で物色広がる

 一本調子での上昇が続いていた中小型株相場に変化の兆しが表れている。高成長株に割高感が強まり、利益を確定する投資家が現れ始めた。代わって資金が向かっているのは地方に本社を置くなどの理由で割安に放置された銘柄だ。割安株物色は成功するのか、カギを握るのは、経営者と株主の関係だ。
 15日は東証マザーズ指数の急落が話題になった。前日比の下落率は3・4%と、米大統領選直後の2016年11月9日以来の大きさ。中小型株の変調とも受け止められている。
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 実際、さえない銘柄は多い。有力中小型株ファンドが軒並み投資するエムスリーは昨年末比で3・5%安、業務用製氷機のホシザキも同3・2%安い。「中小型株の一部に極端な割高感が目立つようになった」(三菱UFJ国際投信の高田穣チーフファンドマネジャー)のが背景だ。
 中小型株は将来の利益成長を織り込んで割高・割安を判断することが多い。PER(株価収益率)を将来のEPS(1株利益)成長率で割った「PEGレシオ」が代表例だ。QUICK・ファクトセットのデータをもとにエムスリーの今後3年の利益成長を織り込んだPEGレシオをはじくと2・7倍 。一般に割高の目安とされる2倍を上回る。
 こうした銘柄に見切りを付け、割安でも成長が期待できる銘柄に乗り換える動きも出てきた。
 典型は熊本県に本社を置く平田機工。半導体関連事業が好調でアナリストは高成長を見込む。昨年末比の上昇率は2割近いがPEGレシオは約0・4倍と、なお割安感が強い。
 スパークス・アセット・マネジメントの常峰隆一運用調査副本部長は割高・割安を重視する一人だ。買い持ちにしているのは新卒採用支援の学情や技術者派遣のUTグループ。人手不足で恩恵を受けられる一方、株価はまだ割安との判断だ。一方でコンビニチェーンなどは割高として売り持ちだという。
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 割安銘柄には、割安のまま株価が低位で安定してしまう「バリュートラップ(割安のワナ)」のリスクがある。それでも投資家が動き始めたのは、企業と積極的に対話して経営に関与する「エンゲージメント」に対する期待が背景だ。
 独立系運用会社アトム・キャピタル・マネジメントは、割安株に投資して企業価値を高めることを目的とした運用手法を検討している。「正当な株価の評価を目指した投資家向け広報(IR)の充実など、建 設的な対話を行う」(土屋敦子社長)。割安銘柄の経営者が株主重視の姿勢に転換すれば、株価へのインパクトは大きい。
 13日から算出が始まった「JPX日経中小型株指数」は、自己資本利益率(ROE)や社外取締役の数などを考慮して200銘柄を選ぶ。遅れていた中小型株のコーポレートガバナンス(企業統治)改革を後押しする可能性がある。万年割安株が「バリュートラップ」を脱する好機が訪れている。(土居倫之)