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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

空売り個人、試練の春――下がらぬ相場、買い戻し迫る

 米連邦公開市場委員会(FOMC)などを控え、14日の日経平均株価は高値と安値の差が今年最小の37円にとどまった。近くて遠い2万円の膠着相場。外国人が買い場を探る一方、売り手にまわってきた個人には試練の春が待ち受ける。
 「横ばい相場なのに、意外と実入りが多い」。カブドットコム証券の荒木利夫アドバイザーはこう打ち明ける。収入源は売買に伴う株式売買委託手数料ではなく、日本証券金融への貸株料。信用取引の売り手が多く、貸株の需要が盛り上がっているためだ。
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 信用取引の売り残高は直近で9554億円と、トランプラリーの始まった昨年11月上旬より3割多い。1兆円規模の売り残を抱え4月からの新年度を迎えるのは、アベノミクス相場以降では初めて。株高局面で空売りを仕掛け、安値で買い戻して利益を得るのが個人の特徴。日経平均が2万円を超えても長続きしないと見込んで「個人はせっせと逆張りで売り手に回っている」(松井証券の田村晋一ストラテジスト)。
 しかし、相場観が見事に的中したのは東芝など少数にとどまる。丸紅は東証1部で信用売り残が4番目に多く、トランプラリーの起点となった昨年1 1月8日以降、空売りを仕掛けた投資家の平均単価は推定676円。14日終値は726円60銭で、計算上7%強の含み損を抱えている。
 信用売り残の多い三菱UFJフィナンシャル・グループや商船三井も同じだ。
 4月から始まる新年度相場は、売り手の個人に試練になりそうだ。例年、4月相場は外国人主導で株高が起きやすい。相場観が裏目に出た空売り勢は、損失覚悟で想定外の買い戻しを迫られる可能性がある。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長によると、4月は「外国人買いの特異月」。2007年から10年間、外国人はすべての年の4月で日本株を買い越した。買い越し規模は平均で1兆円規模に達し、日経平均の月間騰落率は7勝3敗だ。
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 新年度で国内機関投資家の新規マネーが入りやすいことも、外国人買いの呼び水になっているようだ。アセットマネジメントOneの柏原延行調査グループ長は「米利上げなどのイベントをこなせば外国人の資金流入が増える」という。
 今年は産油国の投資マネーも売り方を追い込む。「トランプラリーの初期は先物や上場投資信託(ETF)で日本株に資金が入った 。今年は現物株に資金を移す動きが出ている」(国内大手証券の役員)
 地域別の投資主体別売買動向によると1月は北米、アジアの投資家が売り越した一方、産油国を含む欧州勢は買い越した。日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者(CEO)は14日、サウジアラビアのタダウル証券取引所幹部と昼食を取りながら産油国の日本株投資に期待感を見せた。
 高水準の信用売り残高が誘発する4月の株高。「踏み上げ相場」は想定より弾みがつく可能性を秘める。(関口慶太)