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儲ける&儲かる!株式投資

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在庫減に2万円の予兆――増収への好循環見極め

スクランブル

 13日は日経平均株価が連日で昨年来高値を更新した。14~15日の米利上げをにらみ、日本株に強気な投資家は多い。日経平均の2万円乗せに向け、にわかに注目を集め始めたのが企業の在庫循環だ。出荷と在庫を同時に引き上げる景気拡大はアベノミクスの始まった2013年以来で、業績の上振れ期待を盛り上げる。
 日経平均は朝方こそ軟調だったが、すぐに市場の先高期待を映し出した。原油安を受け電力、空運株が買われたほか、倉庫、化学など「隠れた景気敏感株」が物色されたのが特徴だ。
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 「少し足踏みした後、2万円の大台に乗せるだろう」。アセットマネジメントOne運用本部株式運用グループの武内邦信氏は強気だ。焦点の利上げは「年内3回という市場の見立てを上回る可能性が出てきた」という。日米金利差を手がかりに円安が進めば、日本株の先高観も広がる。
 もっとも、相場には海外要因に加え日本国内の「安心材料」が必要だ。
 「在庫循環こそ着目したい手がかり」。野村証券の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、こう指摘する。鉱工業生産指数を見ると、企業の在庫と出荷のバランスがそろって回復 し始めた。16年7~9月期は在庫が前年同期比で2・1%減、出荷が同0・6%減だったが16年10~12月は在庫が4・6%減とさらに圧縮が進んだ。出荷はプラスに転じた。
 在庫、出荷ともに改善基調をたどるのはアベノミクスが本格始動した13年7~9月期以来。当時、日経平均は年間で6割上昇した。17年1~3月期は円安や米景気の回復で在庫と出荷が一段と改善しているとみられる。小高氏は「出荷が伸びず在庫を減らす『調整局面』は終わった。出荷の伸びが生産増と在庫の積み増しにつながる『復調局面』に転じた」という。
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 在庫、出荷の好循環はどのような物色のヒントを与えるのだろうか。大和証券の鈴木政博シニアクオンツアナリストが東証株価指数(TOPIX)500の構成企業を調べたところ、16年4~12月期は日本ハムや武田薬品工業、日立建機など幅広い業種で在庫が急速に減った。合理化や生産調整、需要の増加など要因はさまざまだ。
 こうした企業は株価の伸びしろも大きい。棚卸し資産を15%減らした丸井グループの株価は直近半年間で2割近く上昇。13日も3%高で引けた。
 ただ、在庫を減らしても多 くの企業は減収のまま。出荷に弾みをつけ「増収を確保できるかが業績、景気回復の手応えになる」(鈴木氏)。棚卸し資産を約16%圧縮した日本ゼオンは来期は「紙おむつ向けの接着剤や低燃費用タイヤの材料が伸びそうだ」と話す。
 日経平均の2万円超えに向け企業が在庫削減の単発エンジンから、増収を備えた双発エンジンに切り替えられるか目が離せない。(岡田達也)