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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

目利きファンドに脚光――実力を見極め集中投資

 日本株を巡る投資資金の流れが変わり始めた。トランプ米政権が掲げる経済政策への期待を手掛かりに金融株などをまとめて買う動きは鳴りを潜め、代わりに存在感を増したのが企業の力を見極めて集中投資するファンドだ。「目利き」に自信があってこその手法が脚光を浴びる展開は、底上げから個別選別に移行した相場のトレンドを示唆している。
 ある独立系運用会社の動きが市場で注目を集めている。新ファンドの立ち上げ準備に動いているベイビュー・アセット・マネジメントだ。中小型株を中心に40~50銘柄に集中投資する私募投信で、運用難に苦しむ地銀や年金などの委託依頼が後を絶たない。
 同社の既存ファンドは資金が増えすぎて、運用に弊害が出ないよう2月に資金受け入れを停止したばかり。地域金融機関が注目するだけあって成績は良好で、日経平均が今年に入ってから一進一退となる中でも年初来で約9%上昇と上々。運用担当の岡橋功樹氏は商社やコンサルティング会社の出身と異色の経歴で、米政権の動向はそっちのけで企業分析に力を注ぐ。
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 個人の好みも変わった。足元で人気なのが、大和証券投資信託委託の「ダイワFEグロ ーバル・バリュー」だ。日本株を含む世界株を投資対象とする同ファンドの純資産はじわじわ増え、1160億円に達した。運用する米ファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントは有望銘柄を長期保有する手法で知られ、ファナック、セコムなども投資対象にする。
 資金が向かうファンドの共通点は、銘柄の選別と集中だ。昨年までの人気は価格変動のリスクを抑えた「最小分散投資」など、スマートベータと呼ばれるインデックス投資だった。ところが金利上昇による債券安や利回り株の下落を受けて、地銀や年金は選択・集中型のファンドに資金を入れ替える動きがあるという。
 底上げ相場では指数の動きへの連動を切り口とした手法が有効だが、全体が伸び悩む中では銘柄選別こそが要諦。独自の強みが生む超過収益を持つ銘柄への集中が、運用成績のカギを握る。
 個別銘柄の値動きからも選別物色の流れがみえる。9日の東証1部では150近い銘柄が高値を付けたが、その業種はばらばら。2017年3月期の最高益見通しが評価された東ソーや、ハードディスクドライブ(HDD)用ガラス部材への期待が強いHOYAなど統一感は乏しく、特定の切り口は 見いだしにくい。
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 いわゆる「トランプ相場」の初期は、世界的に株式や商品価格が上昇した。収益が商品市況などの影響を受けやすい業種が軒並み買われる展開となったが、原油の上昇は一服。ドルも上値が重くなった。智剣・Oskarグループの大川智宏主席ストラテジストは「物色の方向感が乏しくなっている」と指摘する。
 トランプ政権が掲げる政策では、オバマケアの代替案ですら着地が見えなくなってきた。期待先行で買い上げる時期は過ぎ去り、企業の実力を正当に評価する力がより重要になった。投資家の選球眼が問われている。(松崎雄典)