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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

迫る保護主義の大波―悩む投資家、銘柄選別手探り

 24日の日経平均株価は小幅に3日続落した。この日の市場であちこちから聞こえてきたキーワードが「保護主義」だ。トランプ米大統領が検討を進める「国境税」の行方に神経をとがらせている。欧州でも自国優先を打ち出す極右政党の台頭に警戒感が高まっている。押し寄せる保護主義の大波に、悩む投資家は次の一手を模索している。
 「日本にとってプラスかマイナスか測りかねている。海外投資家も消去法的に内需株を買っているくらいだ」。日経平均が前日比0・5%安だったこの日、大手証券の株式売買責任者は悩ましげだった。悩みのタネは28日のトランプ大統領の施政方針演説だ。
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 ここで税制に関する新たな施策が飛び出してくるとの観測が広がる。法人減税であれば日本にもプラスだが、問題は下院の共和党で議論が進む国境税だ。「米国第一」を掲げるトランプ大統領の政策の一つの柱ともいえるが、輸出型の日本企業には逆風となる。
 野村証券の試算によると、米国の法人税率が10ポイント引き下げられるごとに、日本企業の純利益を1%押し上げる要因となる。米国で稼ぐ利益の比率が相対的に高い化学や生産用機械といった業種が恩 恵を受けやすい。上場企業の純利益(約33兆円)に単純に当てはめると、約3300億円の上積みが見込める計算だ。
 半面、国境税として輸入関税率が2・5ポイント引き上げられるごとに、純利益を2・5%押し下げる。米国への輸出が多い自動車など輸送機械への影響が大きい。
 ある国内運用会社の運用責任者は最近、信越化学工業株を買い増すとともに、産業機械向け圧力計などを手掛ける長野計器株を新たに買い入れた。「米国のインフラ投資の恩恵を期待できるうえ、法人減税の追い風も吹く」とみる。一方、自動車株は「税制動向が不安で、買い持ち高を減らしている」という。
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 こうした動きは一部の投資家にとどまらない。今年に入って日経平均が1%上昇したなかで、業種別日経平均の化学(5%高)と機械(8%高)は堅調な一方、自動車(2%安)はさえない。米国の政策を見据えた投資家の手探りの銘柄選別が続く。
 欧州に目を転じると、フランス大統領選が混沌の度合いを深める。極右政党、国民戦線のルペン党首の存在感が急速に高まっている。トランプ大統領の当選時は直後こそ日本株は急落したが、すぐに上昇基調に転じた。だ が、仮にルペン党首が当選した際は「トランプ氏と違って明確な経済政策がなく、市場ではリスクオフが強まるだろう」(SMBC日興証券の末沢豪謙氏)との見方が多い。
 先々の市場の急変などをかぎ取るかのように、欧州関連株は軟調な値動きで、欧州売上高が全体の約4割を占める日本板硝子株は1月末比で10%下落した。
 決算発表も終わり、固有の買い材料に乏しい日本株。保護主義の負の側面に真正面から向き合う局面に入りつつある今、銘柄選別の難易度が上がっている。投資家が自動車などリスクのある主力株を避ける動きは強まりかねず、膠着相場が長引く可能性がある。(増野光俊)