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電機株、三度目の正直――「2つの変革」で最高値視野

 電機株が「三度目の正直」に挑んでいる。攻めのリストラ、自社だけの強みの育成という2つの変革が業績拡大につながり始めており、電機の業種別日経平均は過去2度はねかえされた最高値を視野にとらえた。日経平均株価が小幅続落した23日も電機株には逆行高する銘柄が相次いだ。
 「1月下旬から電機株を買い増している」。シンガポール系投資ファンドの運用担当者は意気揚々と話す。米大統領選後の円安局面で、電機は自動車より恩恵を受けにくいとして株価は出遅れがちだった。だが、水面下では投資マネーが着々と流れ込んでいるのだ。
 23日の株式市場もそんな流れを強くうかがわせた。三菱電機や富士電機、パナソニックなどは逆行高のまま取引を終え、日立製作所や安川電機も朝方には高くなる場面があった。
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 電機の業種別日経平均は昨年末比上昇率が5%と、日経平均(1%高)や自動車(1%安)を上回る。15日には5254円と17年ぶりの高値をつけ、ITバブル当時の1999年12月末に付けた最高値、5575円15銭に急接近している。
 電機各社の最高益更新が相次いだリーマン・ショック前の07年、中国景気の 失速が逆風となった15年半ばと2度にわたって最高値更新には失敗している。だが、今回は「過去とは様相が違う」(アバディーン投信投資顧問の窪田慶太インベストメントマネジャー)といった声が増えている。
 ひとつめの理由は「事業再編などを経て強い体質を築きつつある」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長)こと。ソニーや日立がその代表だ。特にソニーはここ数年のリストラで事業構造を大きく転換させた。15年3月期までにパソコンを売却しテレビを分社。スマートフォン(スマホ)で多額の減損損失を計上した。今期は電池売却など自ら動く「攻めのリストラ」も実施。来期以降、世界シェア首位のスマホ用画像センサーやゲームで成長するシナリオを市場に印象づけた。
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 ふたつめは「自社だけの強み」が立ち上がってきたことだ。テレビやパソコン、携帯電話、白物家電――。かつての主力製品を稼ぎ頭に据える企業はもはや見当たらない。ソニーはセンサー、日立はインフラや情報通信、三菱電はFA機器、パナソニックは車や住宅。選択と集中を繰り返す過程で「脱エレキ」を加速し、それぞれが唯一の技術を確立した。「今 や電機とひとくくりに言っても同じ毛色の会社はない」(松井証券の窪田朋一郎氏)
 電機は「選択と集中が実績につながらない」と批判されてきた。だが、日立が16年10~12月期に円高を吸収し営業最高益を達成するなどいよいよその成果が出つつある。東証の時価総額に占める電機の割合は依然大きい。実力が素直に評価されるようになれば、相場全体のけん引役に化ける可能性がある。(田中博人)