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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

お家芸銘柄に潜む死角―中国リスクに警戒じわり

 21日の東京株式市場では製造業の景気敏感株の一角が存在感を示した。工作機械や産業用ロボットといった業種は日本企業が競争力を維持している「お家芸銘柄」。中国の景気回復期待を背景に、業績安心感が強いという。ただ、お家芸銘柄がすべて安泰というわけでもなさそう。期待の背景が中国なら、忍び寄るリスクの源流もまた、中国だ。
 「切削油のにおいがするオールド・エコノミーにも底入れの兆し」と指摘するのは野村証券の斎藤克史氏。工作機械や産業機械は中国やアジアを中心に需要が回復しつつある。工作機械大手のDMG森精機の株価は21日、一時7%上昇し、昨年来高値を連日で更新。8日続伸となり、同期間の上昇率は2割を超えた。産業用ロボット関連ではファナックや三菱電機の株価が上昇した。
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 工作機械は自動車部品などを削る大型の装置で、企業の設備投資の先行指標になる。業界団体の日本工作機械工業会(東京・港)によると、1月の中国向け輸出は14カ月ぶりの前年比プラスに転じた。前年割れが続いていた中国向けの輸出が上向いたことで、「工作機械業界でも春の訪れを感じる」(オークマの花木義麿社長)との声が聞 かれるようになった。
 中国経済に強気な見方が増えているのは、中国で今秋に5年に1度の共産党大会を控えるなか、インフラ投資や個人消費が拡大するとの見方が強まっているためだ。
 中国関連企業で構成する「日経中国関連株50」は、直近で日経平均株価をアウトパフォームしている。
 だが、お家芸銘柄でもさえない業種があった。半導体関連だ。
 半導体製造装置の東京エレクトロンは昨秋以降の日本株上昇のけん引役の一つ。工作機械と同じように景気の先行指標とされる代表格だ。だが21日は5日続落。車載半導体が主力のルネサスエレクトロニクス株も2%超下げた。
 中国では官民で半導体の国産化に向けた巨額の設備投資計画を進めており、装置受注には追い風になる。市場が警戒するのは、中国の増産で半導体の供給過剰感が強まり、半導体価格や装置受注に悪影響を及ぼす事態だ。
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 米モルガン・スタンレーは直近まとめたリポートで「中国は高付加価値の製造業分野で主要国に対する強力なライバルとして、近く急速に参入してくるだろう」と指摘した。リポートからは、中国が日本勢のお家芸分野でも脅威になるとの見方がに じみ出る。株式市場では早くもそうしたリスクをかぎとっている可能性がある。
 中国が追い風から足かせに変わったといえば、思い浮かぶのは鉄鋼だろう。中国での需要拡大で鉄鋼各社が好業績を謳歌したのはほんの10年ほど前のこと。今や中国は国際市況をかく乱する存在になっている。
 半導体が「第2の鉄」になる可能性はありはしないか。このリスクを市場が織り込み始めたとすれば、日経平均2万円回復は意外に遠いかもしれない。(浜岳彦)