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「変革」銘柄狙う海外勢――事業の選択・集中に期待

 20日の日経平均株価は3日ぶりに小反発したが、円安・ドル高一服が嫌気され下げる場面もあった。為替相場や米政権の動きなどの外部要因に振り回され、力強さを欠く展開は相変わらず。指標面の割安感から買える銘柄が減るなか、海外投資家は個別企業の事業戦略を吟味する投資姿勢に切り替わっている。手がかりは攻めの構造改革に動く銘柄だ。
 「日本株への関心は高いが、持ち高を増やすのをためらう人もいる」。シティグループ証券の飯塚尚己チーフストラテジストは、海外機関投資家の迷いを感じている。国内経済の活性化への期待は後退し、為替相場や世界経済の回復といった「外部要因以外の買い手がかりに乏しい」ためだ。年明け以降、世界全体の株価動向を示すMSCI世界株指数に比べ、同日本株指数は出遅れが目立つ。
 一方で飯塚氏のもとには日本の産業の新陳代謝への期待が寄せられているという。事業の集中と選択を進めれば、大きく成長できる銘柄は多いとの見立てだ。
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 そうした期待が表れたのが富士通株だ。2月上旬に約1000億円分が海外市場で売り出された。富士電機の持ち合い解消に伴うもので投資家が申し込めるのは 約1日。だが、売却額の2倍の需要があり瞬く間に売り切れたという。
 売り出し価格は直前の終値より2・5%安。価格は人気の一因だが「同社の構造改革路線を評価した長期投資家の引き合いも多かった」(国内証券)という。
 富士通はパソコンや携帯電話、カーナビなど非中核事業を再編などで縮小する一方、ITサービスに経営資源を集中する。ITサービスを手掛ける部門は直近四半期に大幅増益だった。18年度までにAI(人工知能)専門人材を1500人に強化するなど成長分野にヒト、モノ、カネを移す。
 海外勢が注目するのは富士通だけではない。アサヒグループホールディングスは16年末に欧州で海外ビール事業の買収に約8800億円を投じた。資本効率の低い事業の切り離しなどへの期待もあり、株価は1年半ぶりの高値圏で推移する。ソニーは今期に映画事業で1000億円を超す減損を計上するがエレキ部門の損益が改善。スマートフォンに搭載する画像センサー事業への評価も高い。
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 もちろん構造改革のすべてが評価されるわけではない。7日に国内生産拠点再編などを発表したリコー。発表後に株価は上昇したが「中長期的な 構造問題の解消は見えないままで、株価の反応は一時的」(JPモルガン証券の森山久史アナリスト)との声がある。
 米系運用会社の投資担当者は構造改革銘柄の投資判断で「第一に出血が収まるメドが付いたか、第二が次に向かう針路がはっきりしているか」を重視するという。最近、不振事業の損失を計上したニコン、三菱重工業などはいわば第1段階で、株価もさえない。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「今後は事業の入れ替えなど戦略の巧拙が評価の軸になる」とみる。日本企業の業績は堅調だが、変革の手綱を緩める余裕はない。(岡田達也)