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海外勢、有望株探す訪日――欧州にリスク、相対的に魅力

 関東地方に春一番が吹いた17日、株式市場はやや乗り遅れ気味だった。日経平均株価は前日比112円安の1万9234円と続落。なかなか破れない1万9500円の「壁」が意識されるなかで、来週からのべ800人の海外投資家が一挙に来日する。投資セミナーで今年の有望銘柄を見極めるのが目的だ。海外勢はどこに焦点を当てるつもりなのか――。
 「10社以上の企業幹部と対話する予定だ」
 来日を前に香港に本拠を置くヘッジファンドの運用担当者は準備に余念がない。日本の上場企業の17年3月期は2期ぶりに最高益を更新する見通し。今年、成長する銘柄を選ぼうとする勝負は熱を帯びつつある。
 21日から海外投資家向け会合を主催するSMBC日興証券は投資家と企業の個別面談を1000件以上予定している。トレボー・ヒル常務執行役員は「しっかりした企業を選びたいという海外投資家の需要がかつてなく強い」と話す。
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 海外投資家が運用資産に組み入れる日本株の比率はなお低い。ただ決算を吟味した一部投資家は動き始めている。例えば1月末に通期業績を上方修正したオムロン。発表翌日の株価は6%高と急伸し2月13 日には昨年来高値を更新した。安藤聡執行役員常務は「40社の海外投資家と会う。生産工程の自動化システムへの期待が大きい」と明かす。
 海外勢が選好する銘柄の裾野も広がる。3月に中小型株に絞った会合を開くみずほ証券によると、申込件数は前年比2割増えた。長手洋平シニアエグゼクティブは「海外勢は投資したことのない内需企業に関心を寄せている」と話す。内規を変え日本の中小型株に投資するところも出てきた。17日はそんな銘柄の一つ、日用品卸大手PALTACが昨年来高値を更新した。
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 日本株が相対的に浮上するのは別の理由もある。株価収益率(PER)が約18倍の米国に比べて日欧は15倍前後と割安だ。フィデリティ投信の青木康アソシエイト・ディレクターは「米国株が上昇すれば日欧のPERも追随する」と話す。最高値圏の米国株から資金が日欧に流れるとの見方も出てきた。
 ただ投資家は欧州の政治・経済リスクが気になって仕方がない。欧州連合と国際通貨基金はギリシャの金融支援を巡り対立し財政危機が再燃。政治ではドイツのメルケル首相が支持率で苦戦している。
 一方の日本。海外勢は日米首脳会談を乗 り切った安倍晋三首相を再評価する機運を高めている。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は「長期では日本のPERは政治の影響を受ける」と話す。構造改革への期待が反映されるからだ。前回は小泉純一郎政権の局面で日本のPERは15~20倍まで上昇した。
 為替動向が日本株を揺るがす構造は変わらないが、海外投資家は円安だけを買う理由として見ていない。政権肝煎りの企業統治改革や働き方改革で、企業の生産性を高められるか。その行方が日本株の上昇力を左右する。(関口慶太)