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「分売市場」意外な活況――個人、中長期の成長に投資

 株式相場は膠着感を強め、16日の日経平均株価は小動きだった。そんな地合いで東京証券取引所などでの「立会外分売」が意外な活況を示している。中長期の投資スタンスをとる個人が、分売企業の成長性にひそかに目を付けているからだ。
 2日連続で東証1部の売買代金が細った16日、中京銀行とダイセキ環境ソリューションの売買代金が急増した。普段は商いの薄い2銘柄の共通項は立会外分売だ。中京銀は前日に実施を発表し、ダイセキは同日に分売した。
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 立会外分売は、大株主が立会時間以外の時間帯に持ち株をまとめて売却する手法だ。もとは売却が株価に与える影響を抑えるためにつくられた制度で、目論見書を発行する売り出しより手続きが簡単なこともあり、企業が株主づくりに使う例が増えている。
 通常、分売価格は前日の終値より2~3%低く、購入手数料がかからない。手軽に買えるネット証券では分売の多くに申し込みが殺到し、希望者全員に割り当てられない状況だという。
 安く買えるので、値上がりしたらすぐに売る短期投資家もいるが、最近は「中長期の成長を期待したバイ・アンド・ホールド(買い持ち)の個人が増え ている」(SBI証券)といい、「分売市場」に厚みを与えている。
 1人が買える株数は1000株など上限が決まっており、大口資金で短期売買するデイトレーダーには向かない。公表から分売までに約2週間の時間があり、「その間に企業の業績や成長性を吟味できる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)点も投資を後押しする。
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 分売する企業は新興市場や東証2部上場が多く、東証1部への「昇格」を狙って株主数を増やしたいという動機がある。
 東証1部指定の形式要件の一つが株主数で2200人以上。昨年11月に分売を発表したクラウドサービスのショーケース・ティービーの株主数は同9月末時点で1900人だったが、分売で1000人以上増えた。その結果、12月に東証1部上場が認められた。
 同社は「株主の裾野が広がり、1部上場で顧客からの信頼も高まった」としており、株価は分売公表日から15%上昇した。分売後に1部に昇格した他の企業の株価も軒並み上昇している。
 アベノミクスによる株価底上げで「分売したい大株主と買いたい個人の両方が増えている」(松井証券の窪田朋一郎氏)。同証券 によれば年間の分売件数は、株式売却益の税率が上がる前の駆け込み需要があった2013年は例外として、100件前後の水準が続く。
 月内はエレベーター大手のフジテックなど9社の分売が控える。個人は昨年まで5年連続で株式を売り越し、今年も同じ基調が続く。相場の流れに逆らう「逆張り」が多いとされるが、分売人気をみると「順張り」派も動いている様子がうかがえる。分売人気が続くかどうかは個人の物色意欲を示すリトマス試験紙になる。(藤原隆人)