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儲ける&儲かる!株式投資

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資源株に3つのリスク――実需・保護貿易・為替に死角

スクランブル

 日米首脳会談を波乱なく終え、13日の日経平均株価は続伸した。上昇が目立ったのは鉱業や石油卸、非鉄金属などの資源株。円安に資源需給、世界景気の拡大期待という追い風が吹く。資源株に強気な投資家が増えるなか、追い風は一転、向かい風に変わるリスクをはらむ。
 「中長期投資家の買い需要が思いの外大きかった」。野村証券の柏原悟志電子取引セールス課長は、こう指摘する。先週末の株高に乗り切れなかった投資マネーが、13日は資源株に向かったという。石油輸出国機構(OPEC)加盟国が想定以上の減産を進めたのも買い手掛かりとなり、業種別日経平均・石油は9年ぶりの高値圏に並んだ。
 個別を見ても国際石油開発帝石が買い気配で始まり一時6%高。JXホールディングスと出光興産は3%高で引けた。原油高と円安を追い風に各社の業績は上振れ基調で、国際石開帝石の2017年3月期連結純利益は前期比2・9倍と、55%増だった従来予想から上振れする見込み。
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 「業績改善が見込めて割安な株を物色する動きが広がっている」(ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長)という。JXのPBR(株価純資産倍率 )は0・87倍と、日経平均採用銘柄の平均値(1・30倍)を下回る。
 しかし、先行きに慎重な投資家は多い。「原油相場の見通しは不透明。関連株を買い上がる局面ではない」と、ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄シニアファンドマネージャーは話す。
 根拠の一つが、足元の資源高が実需を伴っているかどうか確信が持てないことだ。米シカゴ先物市場では投機筋が原油の買い持ち高を過去最高水準まで積み上げている。持ち高の解消に動けば一転、売りは加速度的に膨らむ可能性が高い。
 すでに在庫増への懸念から投機筋は年明け以降、ガソリン先物の買い持ち高を減らし始めた。「原油先物の巻き戻しはいつおきてもおかしくない」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員)状況にある。
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 追い打ちを掛けるのが、トランプ米大統領の保護主義政策だ。環太平洋経済連携協定(TPP)のような多国間協定から2国間協定に軸足が移れば、国際貿易が滞り、資源の荷動きも停滞感が強まる。
 商品市況の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数が高止まりする一方、資源・穀物輸送船の運賃市 況を示すバルチック海運指数は昨年11月中旬のピークより4割超低いまま。構造的な船余りや、春節(旧正月)に伴う連休で中国向けの輸送が減った季節要因を考慮しても、盛り上がりを欠く。
 資源関連企業の業績を押し上げてきた為替も先行き不透明感が増している。JPモルガン・チェース銀行によると、日米金利差と日本の経常収支を基に試算した理論値は1ドル=105円台。「中期的に円高に向かう」(棚瀬順哉為替調査部長)という。
 波乱なき日米首脳会談がもたらしたユーフォリア(陶酔感)の有効期限はそう長くないかもしれない。(湯浅兼輔)