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トラの尾を踏まぬ銘柄―米生産比率の高さで選別

 10日の日米首脳会談を直前に控え、8日の東京株式市場は静かな緊張に包まれた。投資家は円高と通商摩擦への警戒を強めている。米金利高・円安を見込んだ外国人の日本株買いは足元で急減速。ただ上昇する銘柄に目を凝らすと、トラの尾ならぬトランプ氏の「通商リスク」の回避に向けて投資家が銘柄を選ぶ様子が浮かび上がってくる。
 8日の東証1部の売買代金は節目である2兆円を割り込み、トランプラリーは沈静化したままだった。発火点だった米長期金利の上昇は一服。日本の金利上昇も加わり、日米の金利差拡大を背景にした円安期待が後退しているためだ。
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 さらに逆風となったのがトランプ氏による日本の自動車メーカー批判だ。マツダはこの日まで8日続落となっている。
 「日米首脳会談に対する期待はゼロ」。三井住友アセットマネジメントの平川康彦株式運用グループヘッドはトランプ氏が日本の自動車メーカーなどをやり玉に挙げるリスクに着々と備える。すでに自動車株の投資割合は市場平均(約9・4%)に比べて2~3ポイント低くしたという。
 さらに平川氏が着手したのが銘柄の選別だ。着目するのが米国での生産比率が 高い銘柄。ホンダのように米国での生産が多ければ、円高や関税引き上げの悪影響を受けにくい。逆に富士重工業やマツダのように米国生産が少なければ「トラの尾を踏む」リスクが高いとみなす。
 ロボット関連株のような米国が競争力を持たない銘柄もヘッジ(回避)効果がある。平川氏は「トランプリスクは銘柄選択でヘッジできる」と自信を見せる。
 実際、株式市場では平川氏のような戦略を採る投資家が増えているようだ。通商摩擦懸念がクローズアップされがちな自動車株だが「銘柄によっては、売りだけでなく買い注文も来ている」と野村証券の久保昌弘セールス・トレーディング1課長は語る。マツダとは対照的に、ホンダは8日まで6日続伸している。
 シティグループ証券は米国での生産・販売が多い銘柄を「MUSU(Made in US and Sold in USの略)」と名付けた。例えるならば「米国企業のような日本企業」だ。銘柄のリストには、米国での現地生産比率が90%のTHK、同80%のダイフク、同79%のホンダなどが並ぶ。飯塚尚己チーフストラテジストは「トランプ氏は同盟国だからといって日本を特別扱いしない可能性があ る。銘柄選びによるリスク回避は有効」と話す。
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 株式市場でじわじわ進むトランプリスク回避の動き。だがBNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「株式市場で起きているのは、トランプ氏に都合のいい銘柄を選ぶ動き」と冷ややかにみる。
 米国生産のコストが高くつくのは言わずもがなだ。株価は業績に収束する。長期的にはあえて米国生産をしない銘柄が優位を取り戻す可能性もある。投資家はトランプ氏に賭けるかどうかを迫られている。(土居倫之)