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伸びしろ銘柄」後押し――機関投資家、対話で改善促す

 6日の日経平均株価はまたも終値では1万9000円を回復できなかった。トランプ米大統領の政策期待や企業業績の株価浮揚力には陰りもみえる。上値を追わず、むしろ割安に放置されて「伸びしろ」のある銘柄に目を向けてみるタイミングかもしれない。機関投資家は市場全体の底上げに動き出している。
 この日は銀行や素材関連などPBR(株価純資産倍率)が低い銘柄が上昇。「最近の金利上昇が割安株買いを誘った」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジスト)。金利上昇の背景には成長や物価上昇への期待がある。株式市場では低成長下で割安になっていた株が買われやすくなる。昨夏以降、断続的に続く流れだ。
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 中小型株で運用する「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド」の基準価格は昨年末から4万円を超え、好調だ。主に株主価値拡大に「伸びしろ」のある割安株に投資する。金利上昇に加え、もう一つの追い風が吹く。運用する鎌田博光・日本株式ターゲット運用部長は「生保まで『物言う株主』となり、企業の意識が変わってきた。増配しそうな保有株もある」と話す。企業統治改革がじわ じわ割安株に好影響を与えているというのだ。
 例えば三菱UFJ信託銀行は昨年1月、幅広く銘柄を保有するパッシブ運用でも対話を積極化すべく企業の選定基準を明確にした。自己資本利益率(ROE)が低かったり、不祥事が発覚した110社が対象だ。うち50社は新たに加わった訪問先だ。
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 アセットマネジメントOneも責任投資部が企業の持続的成長に必要なESG(環境、社会、企業統治)項目の改善余地のある企業を120社ほど訪問する。
 金融庁は機関投資家の行動原則をまとめた「日本版スチュワードシップ・コード」の改定案を3月中にもまとめ、パッシブ運用にも対話を求める方針だ。
 パッシブ運用は株価指数との連動に注力し企業を訪問することはまれだった。だが、成績を市場に委ねざるを得ない限界もある。市場の「課題企業」に対話で改善を促し、市場全体の底上げを狙う。企業統治体制や不採算事業の見直しといった長期のテーマを主に話し合うところがアクティブ運用の対話との違いだ。
 パッシブ運用を委託する側の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、自らが負う手数料引き上げを検討してまで、運用機 関を後押しする構えだ。
 開示資料を基にMSCIが算出するESGスコアをみると、三越伊勢丹ホールディングスなどの格付けが「シングルB」「ダブルB」と低く、PBRも1倍以下だ。一般に「情報開示が不十分で正当に評価されていない企業も多い」(アセットマネジメントOne)とされ、「伸びしろ」がある候補と言えそうだ。
 世界の金利上昇による割安株の上昇と、日本独自の市場底上げの動きが同時に進めば、持続的な株高につながる可能性がある。(松崎雄典)