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儲ける&儲かる!株式投資

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銀行株「強気派」の勝算――日銀の金利目標上げに思惑

スクランブル

 メガバンクなど銀行株の上値が重い。トランプ・ラリーの初期には日本株相場のけん引役を演じたが、年明けから利益確定売りに押され、勢いを失った。米長期金利の上昇が止まり、米金融株も弱含んだのが一因だ。それでも「強気派」の投資家は日本の銀行株の先行きになお自信を持っているようだ。市場が織り込み切れていない日本固有の買い材料があるという。
 「利益確定売りは出ているが、売り崩されそうな様子はない」。野村証券の久保昌弘セールス・トレーディング一課長は、最近のメガバンク株の取引についてこう明かす。2日午前の取引でも、三菱UFJフィナンシャル・グループ株は一時、逆行高となったのだ。
 多くの投資家は銀行の成長性ではなく、PBR(株価純資産倍率)1倍割れという割安さに着目する。昨年11月からのトランプ相場では米金融株に連れ高し、メガバンク株も2~3割上昇。米大統領選前から銀行株を仕込んでいた投資家からは「中長期の業績の伸びが見込みづらく、利益を確定した」(米RMBキャピタルの細水政和・日本株式投資部長)との声も出る。
 ただし米金融株に比べて日本の銀行株は底堅い。米ゴールドマン・サックス 株が年明けから直近まで4%安となったのに対し、三菱UFJ株は0・2%高。昨年12月に比べて減ったとはいえ、日本の銀行株に強気姿勢を続ける投資家は少なくないようだ。この違いはどこから生まれたのか。
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 「日本の銀行株には独自の買い材料がある」。強気継続派の一人、フィデリティ投信の丸山隆志・最高投資責任者はこう断言する。目線の先にあるのは日銀だ。「日銀は年内にもゼロ%の長期金利誘導目標を引き上げるだろう。そのタイミングで銀行株も見直される」と読む。
 長期金利が上昇し、利回り曲線の傾きが急になれば、銀行は利ざやを稼ぎやすくなる。世界的な金利上昇局面でも、日銀だけは強力な金融政策で日本の長期金利をゼロ%近辺に固定している。今後は円安や原油高で物価上昇が見込まれ、「金利上昇圧力の前に日銀は誘導目標の引き上げを迫られる」(丸山氏)。この日の銀行株は長期金利上昇に反応しなかったが、日銀が目標を変えれば利ざやは中期的に改善する。
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 このシナリオに思わぬ「援軍」が現れた。トランプ米大統領だ。日銀の金融政策を「通貨安誘導」と批判するような発言をした。みずほ銀行の唐鎌 大輔チーフマーケット・エコノミストは「トランプ氏の留飲を下げるために誘導目標引き上げを検討する可能性も否定できない」と話す。
 1月の民間調査では、日銀が17年末までに長期金利の誘導目標を引き上げると予想するエコノミストは41人中、わずか4人。日銀の政策変更による銀行株高シナリオは今の株価に十分織り込まれていない。「昨年の株高に乗り遅れた人が言い訳で政策変更論を唱えている」(国内証券のエコノミスト)と冷ややかに見る向きもあるが、トランプ氏次第で風向きは変わるかもしれない。(宮本岳則)