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2部・新興株宴の先――マネー集中、強まる過熱感

 中小型株・新興株の相場が活況に沸いている。30日は日経平均株価が反落したのを横目に、ジャスダック平均株価は11年ぶりの高値を更新。東証2部株価指数は4日続伸して2006年に付けた過去最高値を視野に入れつつある。相対的な出遅れ感が材料視されているだけではなく、根底には「パッシブマネーからの逃避」という構造要因がある。
 「昨年から欧米の機関投資家の新規顧客が増え始めた」。いちよし証券の小林稔社長はこう明かす。同社は中小型株に強く、約450銘柄を独自に調査する。そうした情報に対する投資家のニーズが目立って高まっているというのだ。
 中小型株の上昇は年明け以降に目立ち始めた。昨年11月以降の「トランプ相場」で主力株に割高感が強まり、出遅れていた中小型株が買われやすくなったためだ。日経平均の昨年末比の上昇率は1%にとどまる一方、2部指数とジャスダック平均は5%高と勢いが際立つ。
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 その根底に「指数採用銘柄をまとめて買うパッシブ運用の拡大」という構造要因があるのは見逃せない。
 企業調査に力を入れて選別投資し、高い運用成績を目指すアクティブ投資は運用コストが割高に なりがち。このため、世界の投資マネーがパッシブ運用の比率を高める流れが続いている。世界の投資信託の資金流出入をみると、16年はパッシブ型商品への流入額が6247億ドル(約71兆円)と07年以降で最大だった。
 日本でもパッシブ化が急速に進む。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のパッシブ運用の比率は15年度末で82%にのぼっている。日銀が年間6兆円購入する上場投資信託(ETF)もパッシブ型の運用商品だ。「感覚的にいうと、日本株を売買する7割程度がパッシブマネー」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏は指摘する。
 この結果、東証1部に上場する大型株は「超過収益が狙いにくくなってしまった」(みずほ証券の長手洋平氏)といった声が多く聞かれるようになっている。パッシブ運用は各銘柄の指数構成比だけをみて、機械的な買いを入れる。こんな投資手法が一定以上の存在感を持つと、業績のよしあしを調査して選別投資しても運用成績には反映されにくくなってしまう。
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 そんな時代にあって、日本の中小型・新興株はいまでも個別株物色が主流で、指数連動のパッシブ運用の比率は低い。 そこに目を付けた内外の投資家が資金を移し、2部指数やジャスダック平均の歴史的な高値を演出している。
 問題は東証2部とジャスダックの時価総額がそれぞれ8兆円程度しかなく、ある程度まとまった資金が流入すると簡単に割高感が強まってしまうことだ。実際、東証2部の予想PER(株価収益率)は23倍と約7年ぶりの水準に達する。シャープの組み入れによって押し上げられた面もあるものの、東証1部(17倍)を大きく上回っている。
 盛り上がりをみせる「中小型株・新興株の宴(うたげ)」。その先には「規模の小ささ」というハードルが迫っているのではないだろうか。(野村優子)