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儲ける&儲かる!株式投資

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アラムコ誘致かなうか――東証、メガIPO起爆剤に

 2万ドルを突破した米ダウ工業株30種平均を追うように27日の日経平均株価は3日続伸した。大型株以上に活況なのは個人投資家に人気の高い新規株式公開(IPO)銘柄だ。魅力的なIPO銘柄は眠っている個人マネーを市場に招く起爆剤となる。東京証券取引所が狙うのは世界最大の石油会社サウジアラムコの上場だ。当初は夢物語と見られていたメガIPOだが、にわかに現実味を帯びているという。
 「顧客はまだ上を見ている。来週も腰を据えて買いにくるはずだ」。27日、野村証券の柏原悟志電子取引セールス課長の声は明るかった。
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 この日もIPO銘柄に資金が向かった。東証マザーズに新規上場したシャノンは終日の買い気配となる。過去1年以内に上場した銘柄の騰落率を累積した「QUICK IPOインデックス」は約9年半ぶりの高値圏だ。大和証券の松下健哉公開引受部長は「業績や成長性で期待できる企業が増えた。個人の関心は高い」と話す。
 「会える可能性が少しでもあるなら行こう」。昨年12月下旬、日本取引所グループの清田瞭グループ最高経営責任者(CEO)はアポイントメントも未確定なままサウジアラビアの首 都リヤドに飛んだ。何とかムハンマド副皇太子との会談にこぎ着けた清田CEOはアラムコの東証上場を直談判した。「日本の個人金融資産は1700兆円。豊富な資金が受け皿となります」と熱弁をふるった。
 巨大な原油権益を持つアラムコが上場すれば時価総額は200兆円ともいわれる。株式の5%、約10兆円分が複数の市場で上場されそうだ。18年の上場を予定し17年半ばには市場を決めるとされる。サウジ以外にニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港など候補となる取引所は多い。
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 泡沫(ほうまつ)候補だった東京市場だがトランプ米大統領の誕生で風向きが変わりつつある。親イスラエルの新政権にサウジは神経をとがらせ「ニューヨーク上場を回避するのでは」との噂が飛び交う。今春にはサウジのサルマン国王が来日する。「ゼロだった可能性が10%に高まった。逆転満塁ホームランを狙う」と東証幹部は意気軒高だ。
 アラムコは東京市場をどう変えるのか。ブラックロック・ジャパンの福島毅氏は「個人マネーを呼び込むだろう」と予想。大手証券の公開引受担当者も「メガIPOなら投資の初心者も関心を持つ」と早くも期待を膨 らませる。既に複数の証券会社が引き受け幹事の可能性を探ろうとアラムコと接触しているようだ。東証の宮原幸一郎社長は「もしアラムコを誘致できれば国際的に東証の存在感を高められる」と話す。
 実は東証はアラムコ以外にも海外企業を誘致しようと、水面下で様々な国の有力企業に打診して二の矢、三の矢を準備している。新しい個人型確定拠出年金「iDeCo」など個人向けの制度は整ってきた。アラムコ誘致の夢がかなわなくともメガIPOが個人を呼び込む日は遠くないのかもしれない。(岡田達也)