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儲ける&儲かる!株式投資

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中小型株に春の気配―トランプ減税の米に出遅れ

スクランブル

 ダウ工業株30種平均がようやく2万ドルの壁を突破した。流れに乗った26日の東京市場で、日経平均株価は344円(1・8%)高と続伸した。昨年以降、ほぼ相似形で上昇してきた日米株だが、けん引役は日本が大型株、米国は小型株と違いがある。背景を探ると、トランプ米大統領が掲げるある政策が効果を発揮しているようだ。
 25日の米株市場は商用車大手のナビスター・インターナショナル(7%高)など日本人になじみの薄い銘柄の上昇が目立った。ナビスター社など米小型株で構成する株価指数「ラッセル2000」は大統領選の結果が判明する前日の2016年11月8日比で16%上昇し、ダウ平均(9%)を大きく上回っている。
 米国が小型株主導の相場となる背景には、トランプ氏が掲げる法人減税への期待がある。税率は現行の35%から15~20%に引き下げられる見通し。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦洋平投資ストラテジストは「世界に展開する大企業より米国内中心の中小企業の方が減税の恩恵を受けやすい」と分析する。
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 減税効果はどれほどか。法人税率が一律25%に引き下げられた場合の1株利益の増加 率は小型株の13・4%に対し、大型株は7・2%。米アライアンス・バーンスタインはこう試算する。中小企業向けの規制緩和も追い風になりそうだ。
 だが、日本では米国と逆の現象が起きている。日経ジャスダック平均株価は足元こそ堅調だが、16年11月8日~17年1月26日の上昇率は11%と日経平均の13%に見劣りする。
 値動きの違いを説明する際に、インベスコ・アセット・マネジメントの得能修チーフ・ポートフォリオ・マネジャーが使うのが大型株業績と為替の連動性のグラフだ。大型株の12カ月先の予想1株利益(EPS)とドル円レートはほぼ連動。中小型株にはない動きだ。
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 大型株主導の相場は続くのか。得能氏は「桜の咲く頃に潮目が変わる」とみる。ここから1ドル=120円をうかがう円安が進まなければ、今秋には前年比での円安による押し上げはなくなる。市場は3~6カ月先読みするため、今春が分岐点になるとの見立てだ。得能氏は「働き方改革や第4次産業革命などのテーマで中小型株を仕込んでいる」と話す。26日はネットで個人に仕事を仲介するリアルワールドが5%高だった。
 コモンズ投信の糸島孝俊 運用部長も銘柄を機動的に入れ替えているプロ運用者の1人だ。主力の日本株投信「ザ・2020ビジョン」は昨年末に銀行株を資産構成の17%と3カ月前に比べて倍増させていたが、足元では銀行株を減らして中小型株などに入れ替えている。糸島氏は「想定外のトランプ発言に反応して相場が下落した局面は絶好の買い場だ」と指摘する。
 先週、中東などを訪問したJPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストが現地の投資家から最も多く聞かれたのは「他の外国人投資家は買っているのか」という質問だった。日本株を買えていない投資家はじれながらも潮目の変化を敏感に感じ取ろうとしている。(関口慶太)