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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

トランプリスクは好機――「米金利3%」で日本株買い

 23日の日経平均株価は再び1万9000円を下回った。トランプ米大統領が早速打ち出した保護主義的な政策に懸念は高まるが、それでも日本株の先高観は意外なほど強い。トランプ氏の政策がリスクからチャンスへ――。カギは米長期金利の3%台乗せだ。
 「トランプ氏の発言に揺さぶられようとも、日本株の先高観は薄れていない」。こう自信を見せるのはファイブスター投信投資顧問の大木将充氏だ。23日は日経平均の下げ幅が一時250円を超えたが、「想定より浅かった」として、リスクに備えた株価指数先物の売り持ち高を縮小したという。
 銘柄の物色動向にも投資家の積極姿勢がにじむ。逆行高を演じたのはアドバンテスト、SUMCOなど景気敏感株の一角だ。コマツも午後上昇する場面があった。「業績が拡大しそうな銘柄を買う動きは続いている」(三井住友アセットマネジメントの金本直樹氏)
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 先高観の背景にあるのは、米国経済の強さに他ならない。焦点は米金利が3%台まで上昇するかだろう。東海東京調査センターの平川昇二氏は「インフラ投資など、トランプ氏が掲げる政策の半分でも実行に移せば米経済はさらに上向く」と読 む。
 平川氏によると、米経済の成長率と物価上昇率を足し合わせた「経済の基礎体力」と、長期金利の指標となる10年債利回りは連動性が強い。直近は経済の基礎体力が3・4%に対し、長期金利は米大統領選後、上昇したとはいえ2・4%程度にとどまる。
 新政権は人件費の割高な米国内の生産を増やし、輸入課税を高める内向きな政策を打ち出している。米国の物価上昇に弾みがつきやすく、経済の基礎体力は改善しやすい。経験則が当てはまるとすれば、長期金利がさや寄せする格好で「3%台に向かうのは自然な流れ」(平川氏)という。
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 いずれにせよ、米金利が上昇すれば日本株には追い風が吹く。市場が織り込む2017年の利上げは2~3回。日米金利差の拡大がドル高・円安を誘発し、輸出企業の業績改善期待につながるからだ。トランプ政権のリスクをチャンスに変えるには、機動的な銘柄入れ替えが有効になる。
 野村証券が18日に公表した新たな指数を見ると、はっきりする。指数は株高・円安時に上昇しやすい銘柄で構成する「野村日本株高ベータ・セレクト30」と、反対に株安・円高時でも抵抗力の強い銘柄を集めた「低ベータ・ セレクト50」の2つに分かれる。
 市場平均(東証株価指数=TOPIX)に対する超過収益率の累積を見ると、2つの指数ともにプラスだが、昨年11月以降のトランプ相場では高ベータの好調ぶりが目立つ。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)など、運用規模の大きな機関投資家ほど市場平均並みの株式運用が比較的多い。2つの指数は不確実性が高い相場でもリスクを取る重要性を証明している。問われているのは米金利高の先に、投資家が自分の見通しを持つ覚悟だろう。(菊地毅)