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儲ける&儲かる!株式投資

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持たざるリスク再び?―「170ドル接近」焦る海外勢

 海外投資家が日本株買いに動いている。1月第2週まで3週連続で買い越した。米大統領就任式を直前に控えた20日は様子見ムードになってもおかしくないが日本株には海外勢とみられる買いが散見された。日本株を保有しなければ収益拡大のチャンスを逃す「持たざるリスク」を意識し始めたのかもしれない。
 「日本の株式市場の見方や投資方針を教えてほしい」。米運用会社Tロウ・プライスで日本株ファンドを運用するアーシバルド・シガネール氏のもとには年明け以降、欧米の年金基金など長期の投資家から問い合わせが入るようになった。運用資産に占める日本株の割合を増やそうと、海外年金は採用する投信を吟味し始めたようだ。
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 2017年に入り日本株の上値は明らかに重い。日経平均は米大統領選以降、16年末にかけて11%上昇したが、17年は20日までで0・1%高にとどまる。トランプ氏の政策に不透明感が残る中でも海外勢は日本株への関心が高い。シガネール氏は「ドル建ての日本株が上昇し『持たざるリスク』を感じ始めた」と読む。
 世界株に投資する海外年金などはドル建てで各国の運用収益を比べる。ドル建て日経平均は 16年末までの「トランプ・ラリー」では0・4%安と出遅れた。海外勢にとって日本株は魅力的には映らなかった。
 ところが円安が止まった年明けからドル建て日経平均は堅調で、16日には一時、15年6月以来の高値をつけた。00年5月以来の壁である170ドルも目前だ。日本株は日銀の買いや自社株買いを支えに、円高に振れても下がりにくい状況が続く。日本株を減らしていた海外投資家が「焦り」を感じ始めた可能性はある。
 海外勢で過去、日本株の「持たざるリスク」が強く意識されたのは15年前半の「ガバナンス(企業統治)相場」だ。ファナックなどが大幅増配を発表し、海外勢によって円安に頼らない株高となった。この時のドル建て日経平均は170ドル台まであと一歩だった。
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 足元で15年前半のような「持たざるリスク」の広がりは感じられない。安倍晋三首相は20日、施政方針演説で長時間労働の是正などをうたったが、ゴールドマン・サックス証券の株式営業責任者、ベンジャミン・ファーガソン氏は「海外勢の関心はむしろ労働市場の流動化や賃上げの行方にある」と話す。
 海外投資家の買い余地は大きい。MSCI全 世界株の日本株比率(7・8%)を物差しに見ると、この比率を下回る世界株ファンドはまだ多い。日本で構造改革が進み、ドル建て日経平均が「170ドルの壁」を突破すれば、彼らは焦り出し組み入れ比率を高めることもあり得る。その時、海外勢が望むのは円安頼みのトランプ・ラリー再来ではない。(宮本岳則)