儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

中小型株+ROE重視――長期の視点、相場混乱を回避

 トランプ氏の米大統領就任を前に、相場の混乱を避けた個人投資家の資金が中小型株へ向かっている。中小型株といえば「AI」や「IoT」といったテーマに基づく短期売買を連想するが、自己資本利益率(ROE)を重視した長期投資も広がりつつある。外部要因に左右されず、大型株より株価が上昇しやすいとして資産運用のプロも注目し始めた。
 17日の日経平均株価は1カ月半ぶりに1万9000円を割り込み、東証1部企業の約9割が値下がりした。主力株への弱気をよそに上昇したのが特定の分野で強みを持つ中小型株。国内航空券の予約サイト運営のエボラブルアジアや、石油プラント解体工事のベステラが上場来高値を更新した。
 株価上昇の原動力は個人投資家の旺盛な投資意欲だ。松井証券では年明けから新規口座の開設ペースが加速。主力株が下がる中でも「長期保有を前提に中小型株に投資する個人が増えている」(松井証券の窪田朋一郎氏)という。
□   □
 プロも中小型株に注目する。株式市場を分析する智剣・oskarグループの大川智宏氏は「トランプ政権下の乱高下相場を避けるには、優良な中小型株への投資が有望」と話す。
  理由の一つはトランプ氏の発言に一喜一憂する海外投資家の売買に振り回されにくいこと。運用資産の規模が大きい海外勢は商いが薄くなりやすい中小型株を敬遠しがち。国内事業が中心の企業が多く、為替変動が株価に影響しにくい。
 もう一つが自社株買いによる株価の押し上げだ。中小型株は「流動性に配慮して企業が時間をかけて買うため株高効果が長続きしやすい」(大川氏)という。
 実際に大型株(時価総額2000億円以上)と中小型株(200億~2000億円未満)について、過去5年の自社株買い発表後の株価騰落率を調べてみたところ、市場平均に対する騰落率は約20日後から差が開き、100日後には1%もの差がついたという。
□   □
 魅力的な中小型株に共通するのが高いROEだ。高ROE企業は一般に好業績で、自社株買いなど株主還元に積極的だ。野村証券が大型株と中小型株の指数構成銘柄について予想ROEの高さと株価の関係を分析したところ、中小型株のほうがROEに応じて株価が高くなる傾向があった。
 高ROEで好業績にもかかわらず、昨年11月からの「トランプ相場」で株価が上昇していない銘柄は多い。野村証券 が条件に該当する銘柄を抽出したところ、その企業にしかできない得意技を持ち、高いシェアを持つ企業が上位に並んだ。コンクリート修繕のショーボンドホールディングスやネット決済のGMOペイメントゲートウェイなどは、今期に最高益を更新する見通しだ。
 3月にはROEが高い中小型株などを対象とするJPX日経中小型株指数の算出も始まる。トランプ相場で始まった灯火を小粒でユニークな企業にバトンタッチできれば、息の長い株価の上昇がみえてくる。(藤原隆人)