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儲ける&儲かる!株式投資

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海外勢、続く先物買い―日本企業の業績に安心感

 日本株は上値の重い展開が続いている。11日の東証1部の売買代金は今年に入って最も少なかった。ところが市場関係者から先行きを悲観する声はあまり聞こえてこない。彼らが意識するのは外資系証券経由で断続的に入る東証株価指数(TOPIX)先物への買いだ。その裏側には海外長期マネーがあるとささやかれる。
 「年明けからTOPIX先物の大口買い観測がたびたび話題になる」。海外勢の注文動向を知る大手証券のトレーダーは明かす。直近では10日午前中だ。日経平均株価が午前の取引を小安く終えた一方、TOPIXはプラス圏を維持。夕方明らかになった先物手口ではゴールドマン・サックス証券が同先物を5397枚も買い越した。
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 米大統領選後、外資系証券経由のTOPIX先物買いが断続的に入っている。特にゴールドマンの買い持ち高(建玉)は大きい。11日も1139枚の買い越しだった。累計の買い持ち高は推計で7万4838枚となり、2015年8月以来の水準に膨らんだ。
 流動性の高さから短期筋に好まれる日経平均先物に対し、TOPIX先物は長期投資家の売買が多いとされる。機動的に売買可能な先物でいった ん日本株の比率を高めたあと、先物売り・現物株買いで個別銘柄をファンドに組み入れるケースがある。冒頭のトレーダーは「証券会社の裏側に米国の年金基金などの買いがあるに違いない。強気の地合いはまだ続く」と読む。
 米大統領選後に株式相場が上昇する原動力となった円安基調は足元で一服。トランプ氏の米大統領就任が近づき、同氏の経済政策に対する警戒感も高まってきた。それでも海外勢が日本株買いに動く動機は何か。
 「買いたくなる気持ちも分かる」。外資系運用会社のファンドマネジャーは、世界の企業業績見通しを眺めながらつぶやく。証券会社のアナリストは事業環境の変化や決算を受けて企業の業績予想を見直す。ゴールドマンが9日取りまとめた上方修正と下方修正の分布状況によると、日本株の「上方修正優位」は際立っている。
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 米企業の業績はドル高や金利上昇が重荷になり、採算改善の頭打ちが意識される。欧州には政治リスクがくすぶる。一方、日本企業は円相場が1ドル=115円程度でとどまれば、来期に増益を確保できる公算が大きい。PBR(株価純資産倍率)も相対的に「割安」とされる水準だ。海外勢には「安定的 に『強気』判断を続けられる市場」(米運用会社GMOのトーマス・ローズ氏)に映る。
 11日は先物以外にも海外勢の買い意欲が垣間見えた。一例が外国人株主比率が5割超のソニーだ。10日から突如買いの勢いが増し、11日は昨年来高値をつけた。同じく外国人に人気のキーエンスも上場来高値圏で推移する。海外勢が先行きに自信を深め、先物から現物株への「橋渡し」がうまく行けば、息の長い株高が見えてくる。(宮本岳則)