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強気相場の裏、備え着々―外国人買い一変のリスク

 2017年の大発会は日本株への不安をかき消すようなスタートとなった。前年末比184円高で始まった日経平均株価は次第に上昇ピッチを速め、終値では昨年来高値を更新した。強気ムードが再び高まるが、年間を見通せば政治や経済の不透明要因は目白押しだ。昨年の米大統領選のような想定外のイベントがあれば、日本株を支えている外国人の買いが一変するリスクもある。
 「予想以上に強気な相場だった」。三井住友アセットマネジメントの永見哲グローバル戦略運用グループヘッドは年始に小幅な調整を想定し、押し目買いを検討していたという。
 4日の大幅上昇は市場にくすぶる慎重な見方を一掃した。SMBC日興証券のトレボー・ヒル常務執行役員エクイティ本部長は「外国人投資家は日本株に対し、かなりのアンダーウエートだ」と話す。今後も買いが続くと見ており「夏には日経平均が2万3000円まで上昇する可能性が高い」と強気の見方を示す。
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 エコノミストも同様だ。ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは過去のデータをもとに日経平均の動向を予測した。名目GDPが年率2%ペースで上昇すると仮定すると 日経平均は17年10~12月期に2万3900円、20年には3万円台まで上昇する可能性があるという。
 16年の大発会は中国・上海株の急落に巻き込まれ、日経平均は15年末比582円安で終わった。対照的な結果となった17年の大発会だが、政治と経済のリスクが小さいわけではない。
 トランプ氏は11日に初の記者会見、20日に大統領就任式を予定する。焦点は財政政策と米中関係の行方だ。野村証券の吉本元シニアエコノミストは「均衡財政論者である共和党のポール・ライアン下院議長とトランプ氏が巨額の財政出動で本当に合意できるのか」との疑問を呈する。
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 米中関係も波乱要因だ。岡三証券で中国経済を担当する後藤好美氏は「中国はトランプ氏を冷静に受けとめている」と言うが、二大経済大国の関係悪化は世界経済に混乱をもたらす。さらにフランスでは大統領選と国民議会選挙、ドイツでも総選挙が予定される。
 日本株の動向を握る外国人投資家は政治・経済のイベントをにらんで投資戦略を立てることが多い。日本株に総じて強気であっても短期ではリスクオフに転じる機会は少なくない。
 一部の投資家は相場下落への 備えを進めている。下落局面で保険の役割を果たすのがプット(売る権利)オプションだ。17年12月限月の1万4000円のプットの建玉残は4日時点で2万383枚と11月末より約2割増えた。BNPパリバ証券の岡沢恭弥グローバルマーケット統括本部長は「プットの価格が安くなれば買いたいと考えている投資家は多い」と話す。ご祝儀ムードの裏で着々と保険が仕込まれている。
 確率は低いが発生すると大きなマイナスの影響がある事象を金融市場で「ブラックスワン」と呼ぶ。トランプ氏を巡りブラックスワンが発生するか。投資家にとって気の抜けない1年になる。(土居倫之)