儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

金利上昇、国内勢動かす―生保・地銀に買い余力

 マイナス金利、英国の欧州連合(EU)離脱にトランプ・ショック――。市場はコンセンサスがあてにならない1年だったが、日経平均株価は5年連続の上昇。「買いたい弱気派」が望んでも下がらぬ相場を前に、国内投資家も手をこまねいてはいられない。
 日経平均は1万9114円で今年の取引を終えた。5年連続の上昇は1978年~89年の12年連続以来。「明るいムードで年末を迎えられた」。日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者は大納会式典で1年をこう締めくくった。
□   □
 流入の活発な外国人マネーに促されるように、おとなしかった国内勢も動き始めた。3兆円強の日本株を持つ第一生命保険もそのひとつ。11月、米次期大統領にドナルド・トランプ氏が決まった翌日から日本株の上場投資信託(ETF)や個別銘柄に資金を投じている。堤悟副社長は「相場の大きな転換点ととらえた。静観したら運用担当役員として失格だ」と話す。
 機関投資家の背中を押したのが、世界的な金利上昇だ。生保はゆるやかに金利が上がるとリスク許容度が増し、株式などに投資しやすくなる。第一生命が機動的に運用できる資金枠は3000億円。金利 次第で増える可能性があるという。
 北関東の地方銀行は上場不動産投資信託(REIT)から日本株ETFに資金を移す時期を探る。
 日本株は買いやすくなっているのか。JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは「米国のインフレ連動債利回りを見ると、日本株のリスクプレミアム(RP)と高い相関関係がある」と指摘する。
 RPは株式益利回りから長期金利を引いてはじく。値が低いほど投資家はリスクを許容しやすく、直近は世界的な金利上昇がRPの押し下げ要因になっている。株を買いたい投資家は着実に増えているはずだ。
 焦点は金利上昇が実体経済の回復を伴っているかどうかだ。経済協力開発機構(OECD)のグローバル景気先行指数DIを見ると、夏から上向いている。不透明感のあった中国景気がやや回復しているためだ。フィデリティ投信の福田理弘インベストメント・ディレクターは「売り買いの需給と実体経済の2本柱がそろったことで日本株への資金流入に今後、一層厚みが出るだろう」という。
□   □
 もっとも、先高シナリオが根強いなかでも調整局面を迎えるのが相場。市場関係者の耳目は「その時期はいつ か」に集まる。
 ある外資系証券幹部は「米ウォール街とトランプ氏の間で来年1月の大統領就任まで為替、株価には触れず相場を安定させる密約があるはずだ」と読む。もし「密約」が解けトランプ氏から本音が飛び出せば、その途端に相場に調整入りのシグナルがともる。
 智剣・oskarグループの大川智宏主席ストラテジストは「期待が先行し過ぎている」として、日経平均は1万5000円程度まで下がる可能性があるという。酉(とり)年の来年。相場格言は「申酉騒ぐ」と説く。今年以上に振れ幅の大きな相場を想定しておくべきだろう。(関口慶太)