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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

年明け相場、宴は続くか―米金利上昇に警戒じわり

 27日の東証1部の売買代金は前日に続き2兆円を割り込んだ。クリスマス休暇による外国人の不在が理由と片付けるのは簡単だが、それだけと決めつけるのは早計かもしれない。年が明ければトランプ氏の米大統領就任が間近に迫る。「宴(うたげ)はもう終わり」とばかりに、年明けの波乱を警戒する向きがじわりと増えている。
 「今は利益を出せるところで出しておきたい」。アストマックス投信投資顧問の山田拓也運用部長は、静かな市場のなかでも警戒を解いていなかった。「今年は年初から株価の振幅が大きく、来年も同じ傾向が続く」と見る。
 振り返れば、今年初めの株安の引き金を引いたのは、中国の財新と英マークイットによる12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想より悪化したことだった。さらに米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数も低水準に沈み、株安に拍車をかけた。両統計が年初に発表されるのは来年も同じだ。
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 市場が「年初の株安」の再来を警戒する背景には、米国の長期金利の動向が関わっている。トランプ氏の勝利をきっかけに、指標となる10年物国債利回りは2・6%台と2年3カ月 ぶりの高水準に駆け上がった。楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「3%に近づくと金利上昇リスクを織り込む動きが強まる」と指摘する。
 約3年前の14年1月には、米長期金利の3%乗せが実際に株安を引き起こした。日米金利差の拡大を根拠に上昇していた日本株は、アルゼンチン通貨ペソの急落をきっかけに、一気に世界株安に巻き込まれた。
 足元でも新興国からの資金流出は顕著。新興国の実体経済まで影響が波及することになれば、3年前の苦い経験の再来も警戒される。「景気拡大に伴う『良い金利上昇』は株高につながるが、景気を冷やす『悪い上昇』と認識されると逆回転を起こす」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)
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 金利高の米景気への悪影響にも警戒感が浮上している。例えば住宅だ。
 米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が22日発表した期間30年の固定型の住宅ローン金利は4・3%と2年8カ月ぶりの高水準になった。長期金利が3%に達すると、同ローン金利は5%程度まで高まる可能性が高い。アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは「4・5%を上回ると新築・ 中古住宅の販売数が前年割れする」と分析する。
 悪い金利上昇によって米国景気に悪影響が出れば、日本株の楽観シナリオにも黄信号がともる。日米金利差を根拠にした円安は、リスクオフという名の円高に反転しかねず、輸出関連株にも逆風だ。
 トランプ新大統領による財政出動が実現すれば、米長期金利上昇は避けられず、3%到達は日増しに現実味を帯びる。年初に相次ぐ経済指標の発表やイベントを、市場関係者は夢心地のまま通過できるのか。それとも、これまでのいいとこ取り相場が終わりを告げるのか。(成瀬美和)