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円安だけでは物足りず―海外勢、企業競争力見極め

 19日の日経平均株価は10営業日ぶりに小反落したが、強気ムードは衰えていない。12月第1週までの5週間で日本株を2兆円超買い越した海外勢がけん引し、年内に2万円に到達すると予想する声は多い。ただ総強気にみえる海外勢の中にも、弱気な投資家は存在する。彼らの声に耳を傾けると、先行きへの課題も浮かび上がる。
 この日の相場を象徴したのが小幅続落したトヨタ自動車だ。売買代金は米大統領選後の最低。株価終値は7144円と1月4日に付けた年初来高値(7495円)に届かず、日経平均に比べ出遅れが目立つ。ゴールドマン・サックス証券の推計によると、海外ファンドの運用資産に占める保有比率が市場平均に対して最もアンダーウエート(弱気)な銘柄はトヨタだった。
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 円安にもかかわらず、評価がいまひとつなのはなぜか。9460億ドル(約111兆円)を運用する米ノーザン・トラスト・グローバル・インベストメンツがひとつのヒントを提示する。
 同社の日本株への評価は弱気。欧州・中東・アフリカ・アジア太平洋地区最高投資責任者(CIO)のウェイン・バウアーズ氏は理由を「円だけでなくユーロや人民元もド ルに対して下落しているため」と話す。
 同氏が重視するのは企業の競争力だ。「最も競争力があるのは経営スピードが早い中国企業、次が高付加価値製品に強みがある欧州企業。日本企業は経営戦略が必ずしも優れておらず最も劣後する」と手厳しい。
 ドル建ての収益を重視する海外勢からみると、日本株のパフォーマンスは高くない。米大統領選前の11月8日と比べると日経平均は1割超上昇したが、ドル建てに換算すると上昇率は0・44%にとどまる。ダウ工業株30種平均や、ドル建て換算のDAXを下回る。
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 米ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで日本拠点のCIOを務める高山秀樹氏は「円安だけではだめだ」と話す。世界で2兆ドルを運用する同社も日本株に弱気な投資判断を続ける。理由は「日本は国内で成長ドライバーがない」ためだという。
 輸出企業が多い日本株は円安になると上昇し、円高になると下落するパターンを繰り返してきた。だが外国人が注目するのは、為替変動を除いた成長力だ。
 シティグループ証券の飯塚尚己氏は「外国人が本当に日本株に強気になるには企業の構造改革が必要だ」と語る。期待 するのは、企業再編を通じた自己資本利益率(ROE)の改善だ。
 政府は来年度、企業分割手段の一つであるスピンオフを促す税制を導入する。不採算部門の整理で利益率向上を促す。企業が自ら変革し、円安に頼らない継続的な外国人買いを呼び込む必要がある。(土居倫之)