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儲ける&儲かる!株式投資

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海外勢、長期買いの予兆―脱円安、企業の地力を評価

 14日の東京株式市場で日経平均株価は7日続伸した。円安・ドル高を原動力とした上昇の勢いは一時と比べて鈍ったが、日本株に投資する海外大型ファンドへの資金流入が続いている。海外投資家が日本株に注目する背景は何か。派手な「トランプ相場」の動きにとらわれすぎると、株高のうねりを見誤りかねない。
 「海外勢の強い需要があった」。大手証券のトレーダーは持ち直した14日の相場の背後に、海外投資家の存在をかぎ取った。日経平均は朝方は小安い場面があったが、3円ながら前日終値を上回って終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控える中でも、海外勢とみられる買い注文が目立ったという。
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 海外勢の心情を映し出す鏡となるのは、2つの日本株ファンドだ。1つはブラックロックが運用し純資産残高が1兆7000億円を超える「iシェアーズMSCIジャパンETF」。同ファンドの特徴はドル建てで為替ヘッジをしないこと。円安が進むとドルベースでは損失が生じる可能性があるが、円安が急速に進む前の10月から流入超に転じ、10月以降の純流入額は1000億円を超えた。
 もう一つは「ウィズダムツリ ー日本株米ドルヘッジ付ファンド」だ。その名の通り為替変動の影響を緩和する仕組みを持つ上場投信へも資金が流入し始めたが、ブラックロックと比べると低調さは否めない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「円安が進まなくとも日本株を買う動きがある」と話す。
 いわゆるトランプ相場の原動力となったのは円安効果への期待だ。輸出採算の改善につながるとの連想だが、大和証券の試算からは違った景色が見える。主要製造業30社の営業利益(主に4~9月期)を要因別に分解すると、コスト削減努力が前年同期比で10%分の増益効果を生んだという。企業は円安だけに頼らなくても良い筋肉質な収益構造を既に得ていたわけだ。
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 ゴールドマン・サックス証券のキャシー・松井氏は「個人消費も今後拡大する」とみる。賃金上昇期待のほか土地などの資産価格が堅調で、消費者の財布のヒモが緩むといい、今後1年の日本株の上昇率は米国や欧州を上回ると予想する。
 日本企業の収益底入れが鮮明となった4~9月期決算の内容が判明し始めたのは10月ごろ。ブラックロックのファンドが資金流入に転じた時期と 重なる。日本法人の新井洋子氏はファンド好調の理由について「日本企業の業績改善期待が背景にある」とみる。
 円相場は1ドル=100円前後から急激に下落し、多くの市場参加者が次の節目とみる120円に近づきつつある。「円安余地は乏しくなってきた」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)。
 円安効果への期待が海外勢が買う理由ならば、円安一服は相場の上値余地の乏しさにつながる。ただ、日本株への考えを大きく変えたなら結果は異なる。日本株はドル建てでは米国株と比べて出遅れている面もある。円安に頼らない企業の強さを示せるかが、一段高のカギを握る。(菊地毅)