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群れない投資のススメ――「トランプ相場」後に視線

 強気派がじわりと勢いを増す日本株市場で、コンセンサス(共通意見)に挑戦する投資家がいる。米国の利上げと景気刺激策をにらんだ足元の「トランプ相場」で、一気に主役に躍り出たのは金融株などだ。ただ、足元の展開に懐疑的な一部投資家は、あえて時流に乗り遅れた不人気銘柄をコツコツ拾う。群れない投資は報われるのだろうか。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えた13日の東京株式市場。利上げが既に「既定路線」になりつつあるだけに、警戒感は乏しい。投資家の関心は利上げの有無よりも、来年以降の利上げ回数に移っている。日米金利差の拡大が円安加速につながるとの見方があるためだ。トランプ氏の景気浮揚策が奏功すれば「利上げ速度が加速する」(米プリンシパル・グローバル・インベスターズのジム・マコーガン最高経営責任者)との声もある。
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 足元の物色動向もこうした見立てに沿ったもの。米大統領選後から12月第1週までに買われたのは、自己資本利益率(ROE)が低水準で業績の悪い銘柄が多い。選挙前は不安定な相場を警戒して、こうした銘柄は敬遠されがちだった。
 米大統領選を通過すると景色は一 変する。下馬評を覆してトランプ氏が当選すると、株式市場でも物色動向が激変した。相場が底上げされる中で出遅れていた銘柄が脚光を浴びる。かつて不人気だった銀行株などが買われ、これまで人気だった高ROE銘柄は勢いを失った。
 時流にあらがう不人気銘柄投資だが、統計上は長期リターンを生み出している。クレディ・スイス証券の栗田昌孝ヴァイスプレジデントは、機関投資家の保有が多い銘柄群(人気銘柄)と、少ない銘柄群(不人気銘柄)に分けて運用リターンを計測。不人気銘柄群で運用し続けたほうが好成績を残せるとの結果が出た。
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 栗田氏は「特に相場が大きく上下に振れると活躍するのは不人気銘柄」と説明する。投資家保有が少ないほうが軟調な局面でも投げ売りが限定的で下がりにくい一方、驚きをもたらす材料を契機に上がり始めることが多いという。トランプ相場がこれに当てはまる。
 新たに不人気となった高ROE・好業績銘柄。これらをコツコツ拾う投資家がいる。運用歴25年超の東京海上アセットマネジメントの平山賢一・運用戦略部長もその一人だ。17年の見通しについて「早ければ7月以降に米利下げ機運が出てくる 」と分析。トランプ政権が早晩行き詰まって景況感が悪化するとみるためだ。大方の市場参加者の予想とは異なるシナリオを基に、あえて時流に逆らう安定成長銘柄を仕込む。
 群れない投資には覚悟が必要だ。ある国内運用会社の担当者は「『トランプ銘柄』を入れずに市場平均に負けると、月例運用報告で上司や顧客に責められる」とこぼす。構造不況業種とされる地銀株にまで買いが集まってしまう一因だ。
 短期売買に自信があれば今回の上昇局面で大きな利益を得られるかもしれない。だが、自らの判断基準がなければ市場に翻弄される。「苦痛」に耐えた投資家だけが得られる利益もある。(宮本岳則)