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「指数超え運用」動く――狙いは割安・業績改善銘柄

 8日の日経平均株価は年初来高値を更新し、騰勢の強さを見せつけた。この相場に乗り遅れているのが、独自の視点で個別銘柄を選別するアクティブ運用の投資家たち。株価指数が急伸する中、メガバンク株を慌てて組み入れるなど市場平均に追いつこうと懸命だ。だが水面下では高い利益確保を目指し、虎視眈々(たんたん)と銘柄を吟味する動きが出始めている。
 「三井造船5%高」「昭和電工2%高」「旭硝子2%高」。8日に目立って上昇した銘柄には共通点がある。PBR(株価純資産倍率)のような株価指標が割安で、アナリストによる業績予想の平均値が直近3カ月で切り上がっているのだ。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里氏は「相場の物色動向が少しずつ変化してきた」と話す。今夏以降、割安銘柄が優位な状況が続いた。拍車をかけたのが11月の米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利。メガバンクなど大型割安株が急騰した。だが今後は「割安に加えて業績改善度の重要性が増す」(芳賀沼氏)とみる。
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 こうした変化の兆しをチャンスと捉えるのが、苦戦の続くアクティブ運用の投資家たちだ。アクティブ運用の成否 を左右するのは銘柄の選択眼。とりわけ、将来の業績改善が期待できる銘柄をいち早く見つけ、手がけるファンドの収益率を高めるのが彼らの真骨頂だからだ。
 米大統領選以降の主要アクティブファンドの収益率をみると、市場平均に及ばなかった。保有比率が低かった大型輸出株や金融株が上昇した一方、ファンドの保有比率が高かったサービス業などの内需関連株が下落したためだ。
 レオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」も反転攻勢を狙うファンドの一つ。11月は上昇率こそプラスを確保したものの、東証株価指数(TOPIX)を下回った。「三菱重工業やメガバンクなどの比率を高めて対応を進めたが、規模が不十分だった」(藤野英人氏)という。
 今後は製造業など業歴が長い産業の銘柄をさらに増やす方針だ。企業訪問活動を強化する。さらに製造現場でIT(情報技術)を活用して生産性を改善するなど変化がある企業を探し出す考えだ。藤野氏いわく「きれいになったオジサン銘柄」の発掘を急ぐ。
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 ある外資系運用会社のファンドマネジャーは「中小型株にも投資チャンスがある」という。注目銘柄の一つは大崎電気工業だ。普及が見 込める次世代電力計を扱う。「業務効率化や生産自動化の関連銘柄には上昇余地がある」と読む。
 フィデリティ投信の福田理弘氏は為替相場の円安進行や、トランプ氏が掲げる政策の恩恵がなくても業績改善が見込める銘柄に注目する。「市場の期待が外れた場合にも打撃を受けにくい」(福田氏)ためだ。
 「トランプ相場」の上昇局面では指数に連動するタイプの運用が成果をあげている。投信への資金流入も指数連動型が優位な状況だ。この局面でどれだけ巻き返せるか。アクティブ運用の投資家たちは今、まさに腕の見せ所だ。(菊地毅)