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儲ける&儲かる!株式投資

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証券株、薄らぐ先行性――トランプ相場終息を示唆?

 6日の日経平均株価は3日ぶりに反発した。市場には先高観が強く、「相場の体温計」とされる証券株の上昇が目立つ。過去の上昇相場では証券株が先行する傾向があったが、今回も大相場に向かうのか。むしろ「トランプ相場は終息しつつある」との指摘がある。
 「日本株高ストーリーだ」。大和証券の池端幸雄グローバル・エクイティ・トレーディング部担当部長は、証券株高をこう解説する。買い手は海外勢とみられる。6日は野村ホールディングスが一時、1年ぶりに700円を回復。カブドットコム証券、極東証券も年初来高値を付けるなど12月に入り、証券株は軒並み一段高となっている。
 金融株のうち、銀行や保険は、米大統領選後の世界的な金利上昇や、規制緩和観測が買い材料だった。証券株は違うという。「日本株の上昇が続き、売買も活性化するとの期待がある」(大和の池端氏)
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 過去の大相場を振り返ると、小泉純一郎元首相による2005年の郵政解散後の急騰や、12年11月を起点とするアベノミクス相場でも、証券株が株高をリードした。「相場上昇の序盤から中盤に買われ始める傾向が強い」(三菱UFJモルガン・スタンレ ー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジスト)
 証券株高はトランプ相場が郵政相場や安倍相場のように大化けすることを示唆しているのか。三菱UFJモルガンの古川氏は「ドル建て日経平均」を試金石とみる。米大統領選以降は2%下げ、ドルで資産運用する海外勢にとって日本株の価値は目減りした。長期の海外投資家はドル建て日経平均が上昇すると買いに動き大相場になりやすい。
 ところが、証券株の上昇が先高観を映してないとの見方もくすぶる。証券株は13年半ば以降、ほぼ一貫して日経平均を下回る。14年10月の日銀の追加緩和後でさえ一時的な買いに終わり、日経平均が2万円を超える局面でも相場を先導しなかった。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は「証券株の先行性は薄らいだ」と話す。
 背景には「貯蓄から投資へ」の流れが進まず、売買手数料収入も振るわないなど証券業界に構造的な要因が潜む。さらに、アベノミクスでは円安が進んでも輸出数量が伸びず、国内の生産拡大や賃金上昇の好循環につながらなかった苦い記憶がある。証券株がけん引する活況相場への期待は抱きにくいのが実情だろう。
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 りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは「証券株は相場が上がれば付随的に買うぐらい」と明かす。先導役というより出遅れ株の扱いだ。6日も値上がり率の上位には証券株のほか電力、海運、造船の出遅れ業種が並んだ。トランプ相場を象徴するドル買いにも陰りが見え始め、日本株買いの一巡感を示しているようだ。
 その米国は財政出動に動こうとしている。日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストは、世界で需要が高まり「今度こそ日本企業の輸出数量が伸びる」とみる。日本経済に好循環の手応えが見えたとき、証券株は出遅れ株から先導役に転じるかもしれない。(松崎雄典)