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儲ける&儲かる!株式投資

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欧米勢追う日本株買い―原油高、中東マネー再び

 注目されたイタリアの国民投票は大きな波乱なく乗り切った。市場の空気に暗さはなく米大統領選以降、外国人は欧米勢を中心に約1兆2000億円を買い越している。そこに新たな明るい材料が浮上した。中東のオイルマネーがじわりと日本に回帰し、日銀は1日あたりの買い入れ額を増額した。買いが買いを呼ぶ展開になるかもしれない。
 イタリア国民投票を受けた5日、日経平均株価は前週末比151円安となった。T&Dアセットマネジメントの神谷尚志氏は「投票結果は予想通り。これで年内は不安材料がなくなった」と話す。この日の下げは短期筋の利益確定売りとの見方がもっぱらだ。
 2週間ほど前、独立系運用会社のスパークス・アセット・マネジメントに来客があった。「政府系ファンド(SWF)が当社の日本株運用の採用を検討しているようだ」と海外営業を担当するボノミ・ノア氏は打ち明ける。このSWFは中東系だ。ボノミ氏は「数百億円規模で運用受託があるかもしれない」と話す。
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 石油輸出国機構(OPEC)は11月末の総会で減産に合意した。今年2月にはSWFの換金売りが話題になったが、当時と比べ原油先物価格は2倍 近くに上昇した。投資余力の回復で、一部のファンドが円安の恩恵を受けやすい日本株に再び関心を寄せたようだ。
 米大統領選の結果判明前だった11月8日と比べ日経平均は6%高い。けん引したのは欧米を中心とする外国人で11月7~25日までの3週間で日本株を約1兆2000億円買い越した。約1兆3000億円あった個人の売りをほぼ吸収した。
 BNPパリバ証券の岡沢恭弥氏が今年面会した外国人投資家97人のうち日本株に弱気だった投資家は90人もいた。しかし、現在は「欧米と比べた政治の安定性を評価し中立に引き上げ始めている」(岡沢氏)。シティグループ証券の飯塚尚己氏は「米国は金利上昇とドル高が業績を下押しするが、日本株は円安が業績を押し上げる」と話す。
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 東京市場では日銀による上場投資信託(ETF)買いへの期待も高まっている。2日、市場関係者に小さな驚きが広がった。日銀のETF買い入れ額が742億円だったからだ。これまで706億円ずつ買い入れており、唐突な増額だ。
 日銀は年間6兆円の買い入れ目標を掲げる。計算上は毎日288億円の買いが必要だが、実際の買い入れ額は追い付いてい ない。日銀が買うのは午前に相場が一定水準下落した日で、日本株の上昇によって買える日が少なくなった。
 日銀は5日も742億円を買い入れた。岡三証券の阿部健児氏は「目標達成を目指し買い入れ額を増やしたのでは」とみる。上昇局面でも公約通りに6兆円を買い入れるなら、相場の下支えではなく、けん引役になる可能性がある。
 ただ、外国人が日本株に強気なのは円安による企業収益の改善が前提だ。トランプ氏がドル高に不満を表明すれば海外勢は売り越しに回るかもしれない。経験則では市場に楽観的なムードが強まった時ほど警戒が必要になる。好材料を気にかけるのは早すぎるだろうか。(土居倫之)