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ようやく動いた国内勢―強気相場、長期化の可能性

 原油高を起点とした円売り・株買いで、1日の日経平均株価は年初来高値を更新した。資源高による物価上昇もあって米長期金利は先高観が根強い。円安の追い風が吹く日本株には恩恵が大きい。世界的な低金利・低成長のニューノーマル(新常態)の転換を見越した海外勢がせっせと日本株買いに動くなか、出遅れていた国内勢はようやくエンジンがかかりつつある。
 1日の株式市場でトヨタ自動車株は続伸し、10カ月ぶりの高値をつけた。この日はコマツや信越化学工業など、東証1部全体の15%にあたる296銘柄が年初来高値を更新した。
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 「押し目待ちは失敗だった」。ある国内損保のファンドマネジャーはこう反省する。11月8日の米大統領選以降の日経平均に押し目らしい押し目はなく、調整局面を狙った買い待ちは裏目に出た。上昇ピッチがあまりにも速く、「国内勢はトランプ相場の波に乗り切れなかった」(富国生命保険の山田一郎株式部長)。
 東証の投資部門別売買動向によると、米大統領選以降、生損保は2週連続で日本株を売り越した。上昇相場への順張りよりも利益確定の売りを優先させた形だ。3週目(21~25日)になって ようやく小幅の買い越しに転じたが、出遅れは否めない。地銀など銀行は売り越しのままだ。
 慎重な国内勢を横目に海外勢はここぞとばかりに日本株を買っている。米大統領選以降の3週間をみると、現物株の買越額は約1兆2000億円と先物を1000億円強上回った。10月も海外勢は日本株を買い越したが、買越額は先物が9700億円だったのに対し、現物株はその半分程度にとどまった。野村証券の元村正樹ストラテジストは「年金や生保など海外の長期投資家が動いた」と指摘する。
 海外勢の日本株買いの根拠は円安だ。日本では日銀が長期金利をゼロ%近辺に抑える政策を掲げており、米国との金利差が広がりやすい。トランプ相場で米長期金利が上昇し、円売り・ドル買いの勢いが増した。
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 日本株の先行きを占ううえで、円相場を左右する米長期金利の重要性が増している。ここまでの金利上昇は大規模の財政出動を訴えるトランプ次期米大統領の政策への思惑が大きく作用した。今後は資源価格の動向が密接にかかわりそうだ。代表的な国際商品指数のロイター・コアコモディティーCRB指数は、足元で前年比でプラスに転じた。大和証券の石黒 英之シニアストラテジストは「資源価格の上昇が物価を押し上げて米長期金利は一段高になる」とみる。
 2日には米雇用統計、4日にはイタリアの国民投票を控え、結果次第で円安・日本株買いの流れが一時的に変化する可能性はある。とはいえ、ある国内生保のファンドマネジャーは「海外発の材料で株価が調整すれば押し目買いの好機だ」と言い切る。下値では日銀の上場投資信託(ETF)買いも予想される。急ピッチの上昇への警戒は根強いが、日本株の需給を見る限り、強気相場は意外と息の長いものになるかもしれない。(湯浅兼輔)