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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

強気相場の引き際――「2017年円高説」の勝算は

 トランプ相場で日経平均株価は年初来高値が近づいている。買いを主導しているのは海外勢だが、一部は先行きに懐疑的になり、早くも売り時を探り始めているようだ。外資系証券が相次ぎ「日経平均2万円」の強気シナリオをぶち上げる中、相場の行方を見極めようとしている。米ヘッジファンドのベテラン運用者から飛び出したのは「2017年円高・株安説」。その勝算はいかに。
 「空売りを仕掛けていたヘッジファンドの先物買い戻しは一巡した。一方で、長期投資家の現物株買いはまだ鈍い」。大手国内証券の日本株トレーダーは膠着感を強めた29日の相場について、こう解説する。
 東証株価指数(TOPIX)の続伸記録は12日で途切れ、円安進行にも頭打ち感が出てきた。市場では「いったんもみ合う」(運用会社ウィズ・パートナーズの石見直樹副社長)との声が聞こえてくる。
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 海外勢の買いが戻り、日本株は高値を更新する――。この楽観シナリオはまだ崩れておらず、外資系証券からは日本株の買い増しを推奨するリポートが相次ぎ発行されている。27日に出したモルガンは日本株の見方を「弱気」から「強気」に引き上げ、米国株から の乗り換えを勧めている。
 だが楽観シナリオが優勢の中で、静かに売り時を探る動きがある。米ヘッジファンド、メル・キャピタル・グループのグル・ラマクリシュナン最高経営責任者(CEO)はその一人。「今は日本株を買う良い機会かもしれないが、早ければ17年4~6月期にも弱気相場が訪れる」と予言する。
 グル氏はモルガンの株式トレーダー責任者を経て、05年にヘッジファンドを創業し、第一線で相場と向き合ってきたベテランだ。「トランプ政権が貿易赤字を減らしたいなら、いずれドル安政策が必要になる」。ドル高・円安トレンドは終わりを迎え、日本株に逆風が吹くシナリオを描く。
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 スイスのUBSの富裕層向け運用部門も足元の円安進行に疑問を投げかける。同社の17年末の為替相場予想は1ドル=98円と、足元よりドル安・円高水準だ。
 「将来に不安を持つ米国人は原油安でも消費を増やさなかった。新政権が減税策を打っても貯蓄に回してしまう」。日本担当の青木大樹・最高投資責任者はこう読む。政策の景気浮揚効果は弱く、米金利はほぼ横ばいと予想。日米金利差拡大による円安進行はないとみる。日本株への見方も 「中立」のままだ。
 海外勢は日本株「強気」で一枚岩ではない。円相場をみても強弱感の対立が見て取れる。JPモルガン証券も17年末の見通しを1ドル=99円に置いており、米モルガンら「円安派」との差は大きい。長期投資家が強気になり切れない理由もこの辺にありそうだ。
 英国の欧州連合(EU)離脱決定で安値を付けた6月下旬以降、外国人の日本株買いの過半は株価指数先物が占めている。先物主導の相場上昇は長続きしないというのが過去の経験則だ。トランプ相場は円安期待が先行している。ゆがみをつく短期筋は虎視眈々と荒稼ぎの機会を狙っているはずだ。(宮本岳則)