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金融株が復活する日―低金利・規制、二重苦に変化

 長らく低迷してきた金融株の復活機運が高まっている。米大統領選を受けて、超低金利、金融規制という「二重苦」からようやく解放されるとの期待が高まっているためだ。国内ではとりわけ欧米など海外で稼ぐ主力の金融株に物色の矛先が向かう。2008年9月のリーマン・ショックから8年超。「構造不況業種」の復活に賭けるマネーの動きは急だ。
 日経平均が7日続伸した25日の東京株式市場。金融株は総じて下げが目立ったが、一部の銘柄はしぶとく騰勢を保った。例えば東京海上ホールディングスは続伸で年初来高値を更新。野村ホールディングスも取引終盤に立ち直ってプラス圏で引けた。「海外で稼ぐグローバル金融株」がこの2銘柄をつなぐキーワードだ。東京海上は米同業買収の効果もあり、連結経常利益の約35%を海外で稼ぐ。野村も海外の税引き前利益が全体の約3割を占める。
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 その半面、国内が主戦場の金融株は失速気味だ。横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループ株が4%超の下げ。「金利環境が改善したとは言い切れず、地方銀行の業績は厳しい」とゴールドマン・サックス証券の田中克典アナリ ストは指摘する。
 背景には米ウォール街で広がる「トランプ・マジック」(外資系証券幹部)への熱狂がある。トランプ次期米大統領の政策が様々な側面から金融機関の経営環境を劇的に好転させるというのだ。
 法人減税や財政支出の拡大に伴う米景気の回復シナリオ。米国の銀行や保険会社はもちろん、グローバルに活躍する金融機関への追い風にもなる。東京海上や野村の上昇はグローバル金融株に投資マネーが向かう世界的な流れの裏付けだ。
 かねて低金利の弊害を訴えきたトランプ氏のもとで「金利の正常化」が実現すれば、預貸利ざやの拡大を通じ金融機関の収益改善には弾みが付く。米長期金利は急上昇し、米国では債券売買が急速に活発になっている。野村や米ゴールドマン・サックスなど世界的な投資銀行には債券トレーディングの収益増が見込める局面だ。
 最近北米を訪問したみずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「現地の投資家には30年に及ぶ債券の強気相場が終わったとの声が増えている」と証言。米国では「低金利を嫌うトランプ氏が日銀のマイナス金利撤廃に圧力をかける」との説さえ浮上しているという。トランプ氏が金融機関の自 己取引を制限した「ドッド・フランク法」の撤廃を掲げるなど、金融規制に反対姿勢を示しているのも大きい。
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 市場の期待の大きさは「冬の時代」の反動でもある。リーマン・ショック後の規制強化を受け、先進国の金融大手の収益性は大きく低下。株式時価総額も長期低落傾向をたどってきた。
 ドイツ証券の村木正雄シニアアナリストは「金融機関の経営が転換点にあるのか、まだ予断は許さない」と語る。だが、日米の株高の底流に「金融株復活」への期待があるのは間違いない。その実現なくして、長期にわたる強気相場もまた望みにくい。(川上穣)