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ドル高進行、米身震い―業績に逆風、相場反転も

 22日の日経平均株価は5日続伸し、年初来高値の1万8450円を視野に入れた。1ドル=111円台と急速に進んだドル高・円安を受けて、市場には強気ムードが広がっている。ただ、何事も都合良く解釈しすぎると落とし穴にはまる。米国では過度のドル高による企業業績の悪化を警戒する声がくすぶり始めた。海外投資家の心理に冷や水を浴びせれば、日本株にも悪影響が及びかねない。
 「今はインフレに強い資産は上がりやすい。2017年には1ドル=115~120円までいくでしょう」。メリルリンチ日本証券の山田修輔FX・株式ストラテジストは、国内外の投資家にドル高基調は継続すると説明している。同証券の買い推奨には信越化学工業、ソニー、富士重工業など景気敏感銘柄が並ぶ。
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 「大統領選後に日本株市場の雰囲気は一変した」。大手国内証券のトレーディング部は活気づく。日本の主要企業の約4割が17年3月期の想定レートを1ドル=100円に置いており、円安が定着すれば業績の上方修正余地は大きいためだ。
 だが、一部の投資家の脳裏には、15年12月から16年2月にかけての世界的なマネー逆回転がよぎり始めて いるようだ。昨年は米利上げ観測を背景にドル高が進んだ。原油安も重なって米企業業績は15年7~9月期に6年ぶりに減益となり、米景気の後退懸念が強まった。日本株を含む世界的な株安の一因になった。
 米株式市場の値動きからはドル高への警戒感も読み取れる。大統領選後、小型株で構成する「ラッセル2000」は21日まで11%上昇。一方、グローバル企業が中心のダウ工業株30種平均は3%と大きく出遅れている。ドル高がグローバル企業の逆風になるとみる投資家が多いためだろう。
 日本は正反対。東証小型株指数の上昇率が4%強なのに対し、東証大型株指数が7%に達する。円安を好感した輸出株や銀行株が相場をけん引している。
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 「ドル高が進むと米国企業の業績に下押し圧力がかかる」。みずほ総合研究所の大塚理恵子氏は懸念する。過去のドル相場と米企業業績の関係をみても連動性は高い。米企業業績の悪化をきっかけに相場が反転すれば、日本の大型株にも売りが広がりかねない。
 「1ドル=130円までの為替変動リスクを引き受けてくれませんか」。先日、米ボーイングの購買担当者は日本の航空機部品メーカー幹部に こう迫った。ドル高による輸出採算の悪化を見越し、納入企業に実質的な値下げを要求し始めた。
 年明けまでを見渡すと、ドル高に支えられた相場が腰折れしかねないイベントが結構ある。12月中旬の米連邦公開市場委員会では利上げがほぼ織り込み済みで、利益確定のタイミングになる可能性がある。1月には米企業決算が始まりドル高の悪影響が気になる。
 「市場の雰囲気が悪くなる前に、海外ヘッジファンドなど短期筋が日本市場で売りに転じるのではないか」。アセットマネジメントOne運用本部の武内邦信氏は押し目待ちの好機を探る。米国発の株高に冷や水を浴びせるのも米国なのだろうか。(岡田達也)