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ニッチ化学株、渋い輝き―特殊素材に強み、評価高く

 ニッチな分野で独自の強みを持つ中小型の化学株の評価がじわじわと高まっている。先週半ば以降、日本株相場は「トランプ狂騒曲」とも言うべき大幅高を演じてきた。だが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは考えにくい。相場の流れに関係なく成長ストーリーを描ける銘柄の物色に、気の利いた投資家たちははやばやと移っている。
 17日の日経平均株価は小幅ながら続伸したものの、上昇幅はわずか42銭。上昇率は0・002%にすぎず、「トランプ相場」にはひとまずブレーキがかかった印象が強い。そんなさえない地合いのなか、買いが目立ったのがニッチな特殊素材に強みを持つ中小型の化学株だ。
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 例えば2%高の3840円と高値圏で引けた東京応化工業。野村証券が前日に目標株価を3700円から4450円に引き上げた。「3次元メモリーの製造工程で使うフォトレジストで競争力が高く、成長が期待できる」(野村の岡崎茂樹氏)とみて、投資判断は「バイ(買い)」とする。日経平均が年初来安値(6月24日)を付けた後の上昇率は19%だ。これに対し、東応化は同48%高と値動きの強さが際立っている。
 扶桑化学工業も一時 、3%高の2602円まで買われ、連日で年初来高値を更新した。信越ポリマーも年初来高値を更新。SUMCOや日産化学工業も高値圏で推移する。いずれも時価総額は小ぶりだが、来期の増益期待が強く、化学株のなかでは予想PER(株価収益率)が特に高いという共通項がある。
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 市場では夏場以降、バリュー株優位の展開が強まり、低PERの三井化学や東ソー、三菱ケミカルホールディングスなど総合化学株に投資家の資金が集まった。汎用石化製品の市況が強含み、原油安による業績改善も重なって、総合化学株は市場全体のなかでも目立つ存在となった。
 だが、4~9月期決算を通過して来期業績に投資家の視線は向かうようになり、物色の流れが変わりつつある。原油安による業績の押し上げ効果は一巡し、供給要因によって堅調だった石化市況も先行きに警戒感が台頭してきた。PERも割安とは言い切れない水準まで切り上がり、「総合化学株はそろそろおなかいっぱい」(外資系証券)との声が聞こえてくる。
 いきおい投資家の物色の矛先は「『何でも屋』の総合化学と違ってストーリーが分かりやすい」(国内投資顧問)とされる中小型の化学 株に向かう。手掛ける特殊素材は成長期待が高い半導体や電池、ヘルスケアといった分野を対象にしたものが多いのも魅力的だ。
 トランプ次期米大統領が実際に政権の座に就いた後、どんな政策を採るのかが不透明なままなのも見逃せない。「こういうときこそ頼りになるのは好業績銘柄」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)とばかりに、マネーは成長シナリオのはっきりした中小型の化学株に集まる。それは市場にそこはかとなく漂う不安感の裏返しでもあるはずだ。(平沢光彰)