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「欲張らない」運用着々―銀行など非・投信銘柄に資金

 15日の日経平均株価は4円安で引けた。下値を切り上げる「トランプ相場」が続くが、市場平均以上の収益を目指す投資信託などアクティブ投資家は想定外に苦戦している。これまで敬遠してきた銀行や鉄鋼の景気敏感株が一躍脚光を浴びているからだ。一方で「欲張らない運用」が持ち味のファンドは着々と収益をあげている。
 「多くのアクティブファンドがトランプ相場に置いていかれている」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏はこう指摘する。15日は、みずほフィナンシャルグループが4日続伸するなど銀行株の上げが目立った。銀行株さえ持っていれば、簡単に市場平均以上の収益を稼げるような相場だった。
 しかし、現実は180度逆だ。多くの投資信託は景気停滞や金利低下を見越して銀行株を敬遠してきた。銀行株は時価総額ベースでは市場全体の8%を占めるが、投信の平均的な保有比率は4%どまり。鉄鋼株や不動産株も事情は同じだ。半面、情報・通信業や食料品など、投信が好む業種ほど直近は低迷が目立つ。なぜ目算は狂ったのか。
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 古川氏は「投資家のリスク選好度合いが米大統領選後に高まり、個別銘柄の値動きが 急変した」という。同氏は米VIX指数や東証1部全銘柄の値動き、為替などを基に独自の「日本株リスク指標」を作成している。指標は大統領選後、1年半ぶりの水準まで急低下した。「平時」なら敬遠される景気敏感株ほど反騰余地が大きいことになる。銀行株は代表格だ。
 投信が苦戦する傍らで、健闘するのが「欲張らない」タイプのファンドだ。売り買いを組み合わせて小さな収益をコツコツ積み重ねるのが持ち味だ。ファイブスター投信投資顧問の「日本株ロングショート戦略ファンド」は14日の基準価格が米大統領選前の8日に比べ約2%上昇。ベイビュー・アセット・マネジメントの「日本株式ロングショートファンド」も堅調だ。
 コツコツ型のファンドは相場の下げ局面で抵抗力を発揮する一方、上昇相場には弱い面があった。今回は似たり寄ったりの運用手法をとるアクティブ投信を尻目に機動的な銘柄入れ替えを実施。「上昇相場にキャッチアップできるようになった」(ファイブスター投信の大木将充氏)
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 ベイビューの佐久間康郎氏は「6月の英国民投票後の経験が生きている」と話す。想定外の欧州連合(EU)離脱決定で相場が急落後、7 月にV字回復した。その過程でいち早く景気敏感株に資金をシフトした戦略が、ここにきて効いた。
 「今の相場は業種に加え、個別銘柄の選択効果が出やすい」と話すのは三井住友アセットマネジメントの坂井早苗氏だ。15日はメガバンク株が買われ、ゆうちょ銀行や地銀の一角は下落した。同じ銀行セクターでも米国の事業展開などに応じて株価に差が出ている点に投資機会を見いだす。
 欲張らない運用は派手な超過収益こそ転がり込まないが、持続的な収益を目指す。変動率の高いトランプ相場で、個人が安定重視の運用に学ぶべき点は多い。(菊地毅)