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株式投資7つの誤解(5)配当――企業価値増大の先食いに

 ちまたでは毎月分配型の投資信託があふれています。金融庁の調査では約63%が毎月配当のファンドで、さらに37%の投資家は分配金による元本毀損の可能性を意識していないとのことです。株式の配当もとにかく多いほうが良いと考える人も多いようです。
 株式配当と似た概念に債券のクーポンがあります。債券はクーポンと元本が切り離され、償還時に何もなければ元本が戻ります。一方、株式に元本はなく、あるのは株価だけです。配当支払いのたびに確実に株価は下がります。これを配当落ちといいます。
 配当前の株価=配当後の株価+配当なので、配当が多ければその分、配当落ち後の株価は下落します。株主にとっては完全に差し引きゼロ(正確には税金分だけマイナス)です。長期保有の観点では、配当受け取りは右のポケットから左のポケットに税金を引かれて移す行為なのです。
 競争力が高く成長機会の大きい企業を保有する場合、高配当はむしろ株主にとってマイナスとなります。その企業が配当を成長投資に回し、高いリターンを上げられるとすれば、配当の受け取りは将来に見込めたはずの企業価値増大の先食いになるからです。言い換えれば、複利 効果をあきらめることになります。
 実際、米アマゾン・ドット・コムやグーグル(現アルファベット)など高成長企業や、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイは無配です。これは企業と投資家の双方にとって合理的なのです。
 配当は企業価値にとって短期的にはプラスでもマイナスでもありませんが、長期的には企業が営む事業の経済性によって意味が異なります。投資先を見極める上で最も大事なのは配当の大きさではなく、その企業に持続的に価値を増大できる投資機会や競争力があるかどうかなのです。(農林中金バリューインベストメンツ    奥野一成)