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株式投資7つの誤解(4)割安――指標だけで判断できず

 株価純資産倍率(PBR)が1倍未満で、1株当たり純資産(BPS)が株価を下回っている状態は割安であるとされます。東京証券取引所に上場している企業の約半数がPBR1倍割れで、米国企業の平均PBRが2倍台であるのと比べて日本株が割安であるという使い方もされます。しかし、この点はより本質的に考える必要があります。
 純資産価値は、計上されている資産が簿価で売却できる前提で見込まれる清算価値でもあります。ただ、日本の土地などの資産価格は足元はともかく、長期的には下落しています。人口減で国内需要も趨勢的に減退することを勘案すると、日本にある資産の時価が簿価を下回る場合があっても不思議ではありません。
 これは国内の事業機会や投資妙味が乏しいことの裏返しです。「資産が簿価で売却できる」という前提自体が疑わしい場合、PBRが1倍割れでも割安とはいえません。より厳しい見方をすれば、長期間PBRの1倍割れが続いている企業では、過去の設備投資や買収など経営資源の配分が失敗してきた可能性を示唆しているともいえます。
 少し視点を変えてみましょう。そもそも誰でも入手できるような定量的な財務情報 だけで割安かどうかを判断し、超過収益を得られるでしょうか。インターネットが普及する前であれば、単純に対象企業の時価と簿価の差を見極めて収益につなげられたかもしれません。実際にバリュー投資の始祖、ベンジャミン・グラハムはこの手法で大成功を収めました。
 しかし、今では単純な財務分析は手軽にできるようになりました。本来的に、参入障壁のないところに超過的な付加価値創出の余地がないことは、事業会社であっても投資家であっても同じなのです。
(農林中金バリューインベストメンツ    奥野一成)