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儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

株式投資7つの誤解(2)成長――参入障壁・競争優位が重要

 一般的に株式投資は企業の成長を買うものだといわれます。この考えは株式の売買を収益の源泉とする中短期的な運用にとってはもっともです。なぜなら保有期間における1株当たり利益の成長が中短期の株価変動に大きな影響を与えるからです。
 しかし、保有企業の持続的な価値増大を収益の源泉とする長期投資家(オーナー)にとっては、成長よりも大事な要素があります。それは参入障壁と競争優位です。
 ファイナンス理論によると、会計上の利益が資本コストを上回る場合にのみ企業価値は増大します。市場の拡大期には比較的緩やかな競合環境を背景に収益性が資本コストを上回るので、その事業は価値を創出できます。
 しかし時間の経過とともに新規参入者が殺到し、市場の成熟化と相まって収益性が下がり、資本コストと同等かそれ以下になってしまいます。つまり持続的に企業価値を増やすには「新規参入を思いとどまらせる参入障壁・競争優位」が不可欠なのです。
 経済成長率の鈍化と情報技術の進歩で産業成熟化のスピードは高まっています。先進国では瞬く間に様々な財・サービスが普及し、単純なノウハウはすぐに競合他社に取り込まれてしまいま す。熾烈(しれつ)な競争環境のもと参入障壁のない企業の「単純な成長」は超過収益を生まず、むしろ企業価値を毀損する結果を招きます。参入障壁があってはじめて成長に意味があるのです。
 また逆説的ですが、非常に高い成長率を持つ産業や企業は長期投資家にとって悩みどころです。市場の高すぎる成長性が新規参入を助長してしまうからです。一見盤石にみえる競争優位であっても、急成長している産業においては懐疑的に見るのが賢明です。
(農林中金バリューインベストメンツ    奥野一成)